宝塚ファン/宝塚歌劇団 トップスターの変遷

月組トップスター・真琴つばさ―退団(2ページ目)

2001年7月2日――月組トップスター真琴つばささんが、たくさんの拍手と涙の中、退団されました。16年間の舞台生活、その内4年間のトップスターの座にピリオドを打ちました。

桜木 星子

執筆者:桜木 星子

宝塚ファンガイド


1985年花組公演『愛あれば命は永遠に』で初舞台を踏んだマミちゃんは、その後花組に配属されます。当時のトップスターは高汐 巴さん。二番手に大浦みずきさん、三番手に朝香じゅんさん。さらに瀬川佳英さん、幸 和希さん、安寿ミラさん、真矢みきさんとスターが勢ぞろいの花組でした。11月に退団が決まっている花組トップのタモちゃんこと愛華みれさんもマミちゃんと同期で、同じ時代を過ごしています。

下級生の時からトップスター候補と噂され、早くからトップスターになる人もいますが、マミちゃんはそうではありませんでした。新人公演の、最初で最後の初主役は研7の時の『ヴェネチアの紋章』(本役・大浦みずきさん)。バウホール公演初主演は研9の時の『ル・グラン・モーヌ』。どちらかといえば遅咲きと言えるでしょう。

1993年に月組に組替え。その時の月組トップはマミちゃんより2年下の天海祐希さん。これだけをとっても、彼女が決して順風なスターへの階段を上っていたとは思えません。しかし1997年『EL DORADO』でついに彼女は、ファン待望のトップスターになりました。

その後の真琴つばさは……あえて私が説明するまでもありませんが、様々な役を「真琴つばさ」でみせてくれました。ハスキーな声が魅力なクールな男役。個性豊かで斬新。
再演作品にあたる『WEST SIDE STORY』のトニー、『うたかたの恋』のルドルフ、『ノバ・ボサ・ノバ』のソールや、色で例えると“黒”や“赤”のイメージの彼女のオリジナル作品も、彼女の個性が強く感じられました。

「真琴つばさ」にはいろんなサブ・タイトルが付いています。中国公演を彼女がトップで行ったことや、NHKの紅白出場をはじめメディアでの活動も多かったことから〈宝塚の広告塔〉。「徹子の部屋」「THE夜もヒッパレ」のライブなどはまだ記憶に新しいでしょう。

また1000Days劇場、新東京宝塚劇場のこけら落とし公演を彼女がトップで行ったことから〈こけらのマミ〉。そしてもうひとつは〈トップ・オブ・トップ〉――。トップスターの中のトップスターという、最高の呼び名です。

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます