宝塚ファン/宝塚歌劇入門編

宝塚の娘役が「娘役」になるまで(2ページ目)

「女性が男の役を演じるなら、女性が女の役を演じる……。娘役は奥が深いのです」――これは元月組トップ娘役・黒木瞳さんの言葉。

桜木 星子

執筆者:桜木 星子

宝塚ファンガイド

舞台上や早替りも大変。男役に比べて付属品が多いから、ひとつ手順を間違えるととんでもないことに。長手(ひじ上までの手袋)を先にしてしまうとアクセサリーを付けにくい。ストッキングを破いちゃって、あわてて履き替える。数分で髪型を変える。アクセサリーを舞台上に落としてしまう。ヒールが脱げる……。

私が一番苦労……というより嫌だったのがダンスのリフト(持ち上げられる振り)。だって相手は男役といえども女の子ですよ! 申し訳なくって。『キス・ミー・ケイト』という作品でヤンさん(元花組トップ・安寿ミラさん)に、ただもたれかかる振りでさえ、私はヤンさんが折れてしまうのではないかと思いました。私の苦労話はこの辺に――。

「男役10年」と言われるように「娘役」になっていくのにも沢山の努力や苦労があります。男役の人気にはかなわないけれど娘役の可憐さ、美しさはファンの心を魅了します。男役との調和を考えつつ同性を演じるには、女優さんとは違う精神や感性が必要――と……現役時代を振り返りつつ、ただただ反省している星子です。
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