海あり山あり、多面的な魅力を持つフランス南東部
世界遺産にもなっているアルルの旧市街 © G Vlassis / Office du tourisme d'Arles
東はスイス、イタリアに国境を接したアルプス山脈地帯であり、南は地中海というそれぞれの地域に、さまざまな特色がある、変化に富んだフランス南東部。モンブランを含むアルプス山脈が広がる東側は、夏にはハイキング、冬にはスキー目当てに訪れる人々で大変混雑します。
地中海に面した南の地域は、温暖で明るい気候が特徴。特にニース、サントロペ、コルシカ島は夏のバカンス先として国内外で人気のリゾート地。さらに内陸に行くと、鉄道では行けない小さな村が点在し、フランスの田舎特有ののどかで美しい景色に出会えます。1世紀のローマ時代にまでさかのぼる古いローマ遺跡も残り、自然と文化の両方を楽しめる地域です。
ローヌ・アルプ地方
フルヴィエールの丘から眺めるリヨンの旧市街
西は美食と歴史の都リヨン、東はアルプスにも近いアヌシーを中心とするローヌ・アルプ地方。山岳地帯の冬は寒さが厳しいですが、内陸地帯は山に囲まれていることもあり夏の気温はかなり高くなる……という季節による気温の差が激しい地方です。文化都市とリゾート地という異なった面を併せ持つ地方なので、いつの季節に行ってもその季節ならではの楽しみを見つけられることができます。
■日本からのアクセス
パリ・シャルル・ド・ゴール空港から国内線でリヨンまで約1時間10分、アヌシーまで約1時間20分。空港からTGVでリヨンまで約2時間、アヌシーまで約5時間。
■おもな見どころ
リヨン美食文化を牽引するポール・ボキューズ © RA Tourisme/S. Maviel
東の中心都市リヨンの旧市街は、世界遺産に登録されているほどの美しさを誇る町並みとなっていて、その様子はフルヴィエールの丘という高台に上って眺めることができます。
リヨンのもう一つの「見どころ」としては、やはりグルメ。フランス料理を世界無形遺産にと提唱する三ツ星レストラン、ポール・ボキューズを代表とする星付きレストランやレベルの高いビストロが集まっています。
冬のスキーリゾート地シャモニ© ATOUT FRANCE/HervÈ Le Gac
東のアルプス山岳地帯はリゾート地としても人気で、冬にはスキー、夏にはハイキングとアクティブに自然を楽しむには絶好の場所。特にモンブランの麓の町シャモニはスキーの本場で、第一回冬期オリンピック開催地ということでも知られています。
山の間に走っている古い鉄道も数カ所あり、自然を間近で眺めることができ、その景色は迫力そのもの。鉄道ファンならずとも楽しむことができます。
アヌシー © OT Annecy
アルプスの山々に囲まれ、スイス風の古い町並みが特徴のアヌシーは、湖に続く運河が町中を流れ、自然と調和した穏やかな風景が魅力の人気都市。水辺には花が咲き、茶色の三角屋根の建物が並び、おとぎ話に出て来るような可愛らしい風景が広がっています。
スイス国境のレマン畔沿いにある町エヴィアンは、言わずと知れたミネラルウォーターの名産地。温泉地としても有名で、エヴィアンの水を使ったエステが有名です。
■名物料理
種類が豊富なシャルキュトリ(豚肉詰物類)© RA Tourisme/P. Smit
美食の都リヨンの名物料理は主に肉料理が中心ですが、ハムやソーセージなどの豚肉の詰め物(シャルキュトリ)、はんぺんのような食感が特徴の川魚のすり身クネルなどの加工品や、他ではなかなか食べられない川魚のマスなども有名です。
アルプスの名物料理は、スイスに近いこともあり、スイス名物でもあるフォンデュ、そしてじゃがいもやハム・ソーセージ類とチーズを焼いて食べるラクレットなど、寒い地方ならではの料理がよく食べられています。
■お土産
高品質を誇るリヨンのシルク © RA Tourisme/L'Image de Marc
中世の時代から絹織物が盛んなリヨンでは、良質なシルク製品が揃います。その技術は、織物装飾博物館やアトリエで見学することも可能。有名ブランドにも卸しているメーカーが多く、毎年11月下旬には、大々的なシルクマーケットが開催されています。
■イベント
街中が光の洪水に © ATOUT FRANCE/Fabian Charaffi
この地方最大のイベントは、毎年12月上旬にリヨンで行われる光の祭典。光をテーマにしたアート、インスタレーションの作品が街中で展覧され、光で溢れかえる幻想的な空間を演出します。イベントの間は国内外からアーティストや観光客が集まり、リヨンが最も賑わう期間となっています。
【参考サイト】