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水戸黄門,子連れ狼,茂七の事件簿も好調です 大奥・浅野ゆう子vs時代劇俳優(2ページ目)

8月初め時点で現在放送中の時代劇がすべて好調です。『子連れ狼』『水戸黄門』『大奥』『茂七の事件簿』…はて、なにか忘れてなかったけ?

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

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『大奥』(フジテレビ系火曜20時)

『鬼平犯科帖』が有名な枠ですが昨年からフジテレビは「スーパー時代劇」のキャッチフレーズ掲げて、いままでのイメージを打ち破る時代劇をめざしていますが、第一弾『陰陽師安倍晴明~王都妖奇譚』つづいて『怪談百物語』とも新しさが十分に処理できず中途半端になっていて正直もう一つというところでした。

しかし今回の『大奥』は違います。『大奥』はフジテレビ系列の関西テレビが68年に開局10周年、83年に25周年記念作品としてつくったお家芸。

御鈴廊下に大奥女中が居並ぶシーンでは一着300万を超すものもふくめ打掛100着以上を用意、絢爛たる世界を再現しています。
そしてそれまでのスーパー時代劇の問題だったビデオ映像による質感のなさはVTRのコマ数を落とすことにより技術的に解決しています。

しかしなんといっても最大の魅力は、「男は将軍ひとりしかいない」という『大奥』の掟による女の戦い。ドロドロ現代劇を上回る女の戦いが展開されます。
菅野美穂、池脇千鶴、安達祐実と並ぶ女優陣の中で光るのは、大奥総取締・瀧山役の浅野ゆう子。トレンディドラマの女王でしたが、年には勝てず最近は主演はむずかしく、かといって脇役にもなれず、と特別出演など中途半端なポジションでした。しかし、瀧山役でふっきれたようで堂々たる演技、特に四話で一度ひっこんで六話で再登場するシーンでは「出たー」という迫力で思わず拍手してしまいました。

ただ不満は過去二作のようにナレーションが岸田今日子でないこと(『子連れ狼』に出向中)、その代わりに怪談話の第9話にご祐筆役(旧作と同じ)でゲスト出演してくれましたが。


『茂七の事件簿』(NHK総合金曜21時15分)

江戸の下町、本所深川でおこる不思議な事件を回向院の親分こと茂七が解決する宮部みゆき原作の時代劇ミステリー。下町に生きる人々の生きる姿を愛情をこめて語るタッチが好評で3シリーズめです。
ただし、このシリーズを今後続けていくのには二つ問題があります。一つは原作のストックがもうなくなっていること。もう一つは脚本の金子成人が2005年の大河ドラマ『義経』の脚本に決まったため、これからいそがしくなりそうなこと。

ひさしくないしみじみとしたいい人情話だけに、なんとか乗り越えて第4シリーズを望みたいところです。



これら現在放送中のヒット時代劇のキーワードは「伝統」でしょうか。『子連れ狼』の北大路欣也、『水戸黄門』の里見浩太郎、『茂七の事件簿』の高橋英樹と時代劇メインの俳優がならびます。そして『大奥』は時代劇になじみのない俳優が並びますが、先に書いたようにご存じものです。
里見浩太郎、高橋英樹は現場で若手に時代劇のノウハウを教えているというはなしも伝わってきます。
時代劇には目新しさだけ追ってもしょうがない、過去をきちんと踏まえた上で新しい要素を盛り込む必要があるということでしょうか。

ところで時代劇といえば大河ドラマ『武蔵』もあったんじゃなかったんでしたっけ?そういえば…
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