小さくたって大きい心『はじめてのキャンプ』
大きい子にまじって初めてキャンプに行くなほちゃんの奮闘ぶりがかわいくてしかたありません。ここで購入! |
なほちゃんがお隣のともこおばさんのところに遊びに行くと、おばさんは、大きい子どもたちにキャンプのお知らせを配っていました。がぜん、なほちゃんも行きたくなるのですが、ちっちゃい子は重い荷物も持てないし、すぐ泣くし、夜も怖がるでしょう、と大きい子たちは大反対です。それでも、おばさんは、なほちゃんもキャンプに連れていってくれることになりました。
林明子さんが描く子どもは、後姿だけでもその心模様が手に取るように分かります。シンプルな線の絵なのですが、「わたしもいく!」というなほちゃんの強い意志も、キャンプファイヤーでの驚きも、大きい子にまじってキャンプができた達成感もじんじんと伝わってきます。おばさんというには若々しいお姉さんのようなともこおばさんも度量があり、大人はこうでなくっちゃと思えます。暗闇の中、一人でおしっこに行けたなほちゃんの懐中電灯の明かりの黄色と満天の星空の流れ星は、まさになほちゃんだけの宝物の体験でしょう。
■『はじめてのキャンプ』
さく・え:林明子
出版社:福音館書店
出版年:1984.6
価格:1,155円(税込)
>>キャンプのことが全部分かる『キャンプをしよう』