絵本/春を楽しむおすすめ絵本

ひな祭り絵本で春を呼ぼう(2ページ目)

もうすぐ桃の節句です。ひな祭りの由来を知ったり、ひな祭りパーティーのヒントになったりする絵本をご紹介します。

執筆者:鈴木 宏枝

家の外でも内でもひな祭り『もりのひなまつり』

森ののねずみの子どもたちから、家ねずみのねずみばあちゃんのところにお手紙が来ます。森のおひな祭りパーティーで、ぜひおひな様が見たいというのです。ねずみばあちゃんは、人間のひな祭りの前に、1日だけおひなさまを箱から出して森に連れていきます。

起承転結が見事で、ねずみばあちゃんの大活躍が光る素敵なお話です。森じゅうの動物に歓迎されたおひなさまたちが、時と場所を変えて、何事もなかったかのように人間のひな祭りでもおすましするところが最高。自由に遊びまわったおひなさまにも、素晴らしいパーティーができた森の動物たちにも、感謝されたねずみばあちゃんにも、そして、なぜかいつもよりぐっと美しいおひなさまでお祝いできた人間の女の子たちにも、みんなが幸せな桃の節句です。

■『もりのひなまつり』
さく:こいでやすこ
出版社:福音館書店
出版年:1992/2000.2
価格:840円(税込)


おひなさまにこめた思い『ゆうくんのおひなさま』

幼稚園に通うゆうくんは、ひな祭りなんてぴんときません。でも、友だちのしいちゃんが「おひなさま、だいすき!」というのを聞いてなんとなくドキドキします。ところが、しいちゃんは、次の日もまたその次の日もお休み。幼稚園の先生に、紙のおひなさまを流すと、子どもの病気や悪いことを全部遠くに持っていってくれると聞いて、ゆうくんは、家でお姫さまを折り、近くの川から流しました。

男の子の感情がきめ細やかに描かれていて、ガイド感動の1冊でした。そうそう、こんな風にいろんなことを考えながら、でも、表には出さないで自分の中にとどめておく。しいちゃんが笑顔で登園してきて良かったなあと思いながら、しいちゃんの病気を持っていってくれたと信じたお姫さまのことも忘れない。ゆうくんの男気に惚れます。

■『ゆうくんのおひなさま』
作:武鹿悦子
絵:土田義晴
出版社:佼成出版社
出版年:1988.2
価格:1,260円(税込)


ぼんぼりにあかりがともる『ひなまつりこびとのおはなし』

おなじみの行事こびとのシリーズです。頭に桃の花を咲かせた「ひなまつりこびと」が目覚めると3月3日の桃の節句。野原の友だちと一緒にひな祭りパーティをするためにおひなさまを出してみると、ぼんぼりが1つ足りません。実は、ねずみの家族に女の赤ちゃん「ちゅうこちゃん」が生まれたので、お祝いをしたかったのだとか。

桃色が全面に強調され、春の華やかさにとてもふんわりした気持ちになれる絵本です。ねずみの家族も幸せ、桃の花のぼんぼりをともしたこびとも幸せ。もちろん、パーティーにやってきた動物の友だちたちもにこにこしています。ちゅうこちゃんのために一生懸命折りびなを折ったお父さんねずみとお母さんねずみが素敵です。

■『ひなまつりこびとのおはなし』
さく:まついのりこ
出版社:童心社
出版年:1986.10
価格:630円(税込)


>>次のページは  おひなパーティを3倍楽しくする絵本と本
『もりのひなまつり』
ここで購入!家ねずみのねずみばあちゃんは、野ねずみの子たちのために、おひなさま一式を届けます。
『ゆうくんのおひなさま』
ここで購入!幼稚園のしいちゃんがずっと病気で休んでいます。流しびなのおひなさまは子どもの病気を持っていってくれると聞いたゆうくんは、家で折り紙のお姫さまをつくります。
『ひなまつりこびとのおはなし』
ここで購入!3月3日にめざめたひなまつりこびとがおひなさまを出してみると、ぼんぼりが1つ足りません。
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