友達ができた!『わたしようちえんにいくの』
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ここで購入!まだ学校に行けないアンナは幼稚園に行くことになりました。ひとりでできなかったらどうしよう、おともだちとなかよくできるかな。不安でいっぱいのアンナでしたが、幼稚園はとても楽しいところでした。(画像提供:文化出版局 | 赤いリボンのよく似合うアンナ。赤ちゃんと家にいるには大きいけれど、学校に行くにはまだ小さい。そこで、幼稚園に行くことになりました。友だちと仲良くできるかな、靴を履けなかったらどうしよう、と不安にかられながらの登園です。でも、行ってみるとやさしいサム先生がいて、身の回りのことを教えてくれたり、絵本を読んでくれたり。そして何より、アンナにとって一番楽しかったのは、同じく初めてやってきたトムくんとお友だちになったことでした。
原題はGoing to Playgroupで、プリスクールや幼児グループのような位置づけです。アンナとトムくんは、自分の不安な気持ちをぬいぐるみのクマに仮託し、「くまちゃんたち ないてる。どうしよう」「おさんぽに つれていってあげましょうよ」とごっこ遊びの中から、解決の糸口を見出していきます。クマを遊ばせることで自分も不安な気持ちを解消し、お散歩遊びを楽しむと同時に、それを共同で行うことでアンナとトムの関係もよりよく育まれていきます。幼稚園はきっと楽しいところだよ、お友だちもできるよ、そして遊んでいるうちにママが迎えにきてくれるよと、これから幼稚園に入園する子どもの心を後押ししてくれる絵本です。
■『わたしようちえんにいくの』
文:ローレンス・アンホールト
絵:キャスリーン・アンホールト
訳:角野栄子
出版社:文化出版局
価格:\1,325
発行:1991/1993年3月
船で通う幼稚園『えんふねにのって』
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ここで購入!「かわのそば幼稚園」には園バスはありません。かわりに園児は「えんふね」で登園します。 | まきちゃんが通う「かわのそば幼稚園」は川のそばにあります。だから、みんなは園バスではなく園船(えんふね)のとびうお号に乗って幼稚園に行きます。桟橋から船に乗り、幼稚園まで。いつもの川辺で見つける野いちご、ほほに心地いい風。まきちゃんのおばあちゃんからは、素敵な差し入れもあります。だけど、今日に限ってアクシデントが!
川の中に丸太が散乱して通行不能というトラブルを、園船はどう乗り越えたのでしょうか? 園船が空を飛ぶ見開きのページの広がりと、胸いっぱいに大気を吸いこみ、鳥のような軽やかさを味わう子どもたちの、目をつぶった表情は、本当にすばらしい……。
角度や遠近を感じる絵本です。横から見たときの、子どもたちの顔、顔、顔が並ぶ園船。まきちゃんが乗り込んだ後の、水の中から真正面の園船を見上げるようなアングル、あるいは浮かんでいく園船を斜めから見たときに感じる「高さ」。平面の絵の中に、奥行きとスピードと「船」の立体感が、あますところなく味わえます。
しかし、いいですねえ、園船。ベニスか柳川か。園船で通う幼稚園、最高! 毎日の営みの中で川辺の四季を感じ、小さなたくさんの「わくわく」を積み重ねて、かわのそば幼稚園の園児たちは大きくなります。
■『えんふねにのって』
作:ひがしちから
出版社:ビリケン出版
価格:\1,680
発行:2006年3月
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