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「頭のよい子」が育つ食卓の共通項(2ページ目)

親であれば、やはりわが子は頭のよい子に育ってほしいもの。今回は『頭のよい子が育つ』シリーズで大人気の、四十万靖先生に頭のよい子を育てるコツについて伺ってきました。

執筆者:飯野 耀子

コミュニケーションは言葉だけに非ず

牛
「頭のよい子が育つ食卓」。この著書をベースにしてサンデー毎日でも「家族だんらん健康おつまみ」連載中!
親子のコミュニケーションの取り方について四十万先生に伺ったところ、次のような回答が返ってきました。

「コミュニケーションというのは会話だけではないんですよ。ここがね、みなさん勘違いされやすい部分なのです。例えば、父子関係という意味でいうと、子供の頃のキャッチボールがそれにはいいプロセスになるんですね。これは相撲でもいいですし、かけっこでもね。大事なのは『何をするか』ではなくて、『どうするか』なのですが、これらの遊びを子どもとする際にね、子供が小さくても親父は手抜きをしないこと、これがとても大事なんです。例えば、キャッチボールだとすると、子供が小さいうちはそんな本気のボールなんて受け取れないし、怖いし、子供は泣きべそかくわけです。しかし、折々にキャッチボールをすることでだんだんにボールが取れるようになり、ある日、子供の方が親父を越える日が来る。そのとき、子供にとって親父が『頼るだけの存在』から『思いやりも持つべき存在』に変わるみたいなね。もちろん、小さな頃から思いやりがあるのは望ましいことですが、大人に云われたから仕方なくポーズとして何かをするのではなく、大人になるまでのいずれかの段階で子供が『自ずと気がついて思いやりも持つようになる』ことが自然で理想的なわけですね」

なるほど。食卓においてはどうでしょうか?

「例えば、親父と子供の食事が違うというのもいいと思いますね。これは別に父親だけ一品多いといった権威の誇示のためではなくて、親父の食事を子供味に合わせる必要なないということです。わさびや、からしなどの薬味ね。子供からみたら『なんであんなものが美味しいんだろう?』というものって結構あるじゃないですか? お酒なんかもそうですよね。そういうものがある時、気がついたら『美味しいと感じる』ようになってる。どうもこの瞬間というのを大人の側はあまり意識していないのですが、子供の側は『大人になった瞬間』といった感じで覚えている人が多いんですよね。そして、自分が親父に一歩近づいたみたいなね。ここにも改めて『わさびとは?』といった会話はなくても十分、親子間のコミュニケーションは成り立っているわけです。現状、親子間のコミュニケーションがうまくいってないと感じられている方は、テーマは何でもいいので何か『親父の背中を見せる』といったことがなんだろう?と考えられてみるのがいいのではないでしょか? これはもちろんお母様でも同じように考えていただいていいですよ。」

大切なのは居場所

牛
四十万先生はみんなの頼れる存在
食卓のあり方について、四十万先生からはもう一つ大切なメッセージをいただきました。それは「居場所」。

「結局、頭の良い子が育った家庭というのは子供にとってそこに『居場所』があった家庭なんですよね。これは『心の居場所』ですね。それがあるから親の側で勉強することが安心感につながるし、お母さんが作ってくれた料理が子供時代だけでなく、大人になった際にも思い出の味になり、支えにもなる。もし現状何かうまくいっていないものを親子関係やお子さんの状態に感じている場合は、家族の中に『その子の居場所があるかな?』ということを考えてみてください。もしないとなった場合は、まずは『居場所』を作ってあげるにはどうすればいいか?ということを考えてみてください。親子で一緒に餃子を作るなど、何か一緒にする時間を持つだけでも違ってきますよ」

コミュニケーションというのは親子で空間を共有するであり、子供に居場所があるということは「親子で空間が共有されている=コミュニケーションが取れている」ということだそう。

先生の調査によると成績のいい子たちの家庭では家庭内の子供の導線に必ず“お母さんの存在“があったといいます。お子さんにとって子供時代は二度と手に入らない本当に大切な時間です。ぜひ、コミュニケーション豊かな家庭環境でお子さんを育ててあげてくださいね。

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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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