新しい環境に慣れない子どもへの接し方

新しい環境に慣れない子どもへの接し方

新しい環境に慣れるのは、子どもにとって人生最大の試練

Q:この春、3年保育の幼稚園に入園した息子は、家では活発で元気なのに幼稚園では別人のようにおとなしくて消極的です。入園式の前にはあんなに張り切っていたのに、あまりに様子が違うので心配です。私の影に隠れて、先生に挨拶さえできなくなっています。このまま皆とうまくやっていけるのでしょうか?
 

子どもの成長はらせん状

A:新年度を迎えるこのシーズン、同じようなご心配を抱えるママが全国にいらっしゃいます。新しい環境に溶け込むために、子どもたちも緊張しているのです。家にいるときは期待感で張り切っていたのに、集団生活の中では「どうしちゃったの?」とママが戸惑うような行動が多く見られる季節です。

2、3日で元通り元気溌剌になるお子さんもいれば、もっと時間がかかる場合もあるでしょう。しかし、「その子にあったスピード」で慣れてゆきますから、温かく見守ってゆきましょう。親心としては、つい子どもに過剰な要求や期待を抱きがちですが、そんなときは「朝顔のつる」を思い出してみましょう。

朝顔が風に吹かれても安定感を持って、しっかり成長して花を咲かせてゆくためには基盤となるもの(親)に、つるをらせん状に絡めて成長してゆきます。一直線と違い、らせんを描く成長は一見後退しているように見える時もありますが、着実に上を目指して成長しています。子どもも親の顔色を伺いながら、行きつ戻りつしながら行動しているので、叱咤激励するよりも「今は不安かもしれないけれど、大丈夫だよ」と焦らせないように、子どもの気持ちに共感してあげましょう。 

親は子どもの心の安全基地となろう

「あなたの応援団だよ」と言葉に出して伝えよう。受け入れられている喜びがエネルギーとなる

「あなたの応援団だよ」と言葉に出して伝えよう。受け入れられている喜びがエネルギーとなる

イギリスの精神科医であるボウルビィが、母子関係の愛着理論のなかで「安全基地」とは、安全で安心できる場所であると述べています。

乳幼児はその成長過程において、何かがあったときに逃げ込める場所を「安全基地」とします。子どもはやること何もかもが初めて。それでも挑戦できるし、好奇心を持って進んでいけるのは、失敗しても帰れる場所としての「安全基地」があればこそ、思いきりチャレンジできるのです。

脳科学者の茂木健一郎さんの講演や著書の中でも「安全基地」というキーワードの重要性が伝えられています。茂木さんは「安全基地」として4つのポイントをあげています。
 
  • やりたいことをやらせる
  • 応援団に徹する
  • 欠点も受け入れる
  • 困った時こそ手助けをする

私たち大人であっても、この不確実な世界を生きていく上では「安全基地」としての「心のよりどころ」があれば、不安感に押しつぶされることなく、前向きに生きていけるように脳が働いてくれるようです。

幼い子どもたちの新生活がスムーズに歩き出せるよう、安全基地になれるように自覚を持ちたいものですね。

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