祖父母がでしゃばるのも嫌! 育児サポートのポイント
祖父母がでしゃばるのも嫌!息子夫婦の育児をサポートしたい
息子は私たち夫婦が余計な口出しをしたり、子どもを甘やかしてしまうのではないかと心配しているようです。どうしたら息子夫婦や孫と仲良くできるでしょうか。孫育てにも上手に関わりたいです。アドバイスをお願いします。
身近な経験者としてパパ・ママをそっとサポート
A:今回はお祖母さんからのご相談ですね。お孫さんのご誕生。おめでとうございます。ママやパパが始めての子育てに戸惑いがあるように、祖父母も孫という初体験にドキドキしますね。未来を荷う子どもたちを健全に育てたいと、世代を超えて誰もが願っていることです。しかし現在パパやママになっている方々は、少子化がすすみ始めた時期に大人になり、自分の育つ環境の中に乳幼児と接する機会がほとんどなかったという人が多いのが特徴です。我が子を生んだのが初めて子どもと接した経験であるという親が多くなっています。祖父母は、最も身近な相談者として家事や身の回りのことを手伝ってあげましょう。
子育ては、よく観察し適切なかかわり方が求められます。そのためには子どもの発達を理解して見守る知識が大切です。親自身の価値観や感性を取り入れながら、自信を持って安心した気持ちで子育てしてゆけるように、経験者の祖父母や地域の大人が若い世代が自分たちのよいところを見つけられるようにサポートしてゆきたいものです。
いつの時代も、完璧な親や子育てなどありません、誰もが悩みながら手探りで良き未来を願って進んでいるのです。人間はみな欠点をもっていて完璧な人間などいないのですから大事なのは、可能なかぎりベストをつくすことです。子どもは親の所有物ではありません。母親だけが子育てを抱えこまずに、周りの協力を得ながらゆったりした気持ちで子育てをしていきましょう。そのためには親自身が他者の意見に耳を傾け、協力しあいながら子育てを楽しむ気持ちが大切です。子どもにとってはママやパパが一番の存在です。孫に親の批判などは言わないようにしましょう。小さいながら両者の間に入って気持ちが混乱することがあります。
「子どもの責任者は親」という認識が大切
高齢化が進み祖父母が孫と接する時間が長くなっています。共働き家族の増加で祖父母の助けを求める場合も増えてきています。しかし祖父母までが親と同じ役割で接しては子どもの肩に、期待という重荷が増えてしまいます。「子どもの責任者は親」という共通認識を持ちながら、親は「未来」を見据えた教育をし、祖父母は「今」を受け止める安らぎの場でありたいものです。■親世帯は子世帯の方針にむやみに口をはさまない
子どものしつけや教育は、子どもと接する時間の長い女性が主導権を持ちやすいものです。そのため親世帯の介入は、子世帯の母親の負担になりがちです。孫の教育は子世帯の責任とし、親世帯はむやみに意見をはさまないようにしましょう。
■子世帯の意見を尊重する
育児・教育などについて相談することも多いですが、決定権は子世帯に任せましょう。親世帯の意見が影響をおよぼしがちですが、サポートであるという立場で子世帯の意見を尊重する配慮が必要です。
祖父母世帯も参加したい子育て
孫のためにして喜ばれること、嫌がられることは何? お母さんの声をもとに、産婦人科医、小児科医、助産師、保健師が総力編集。孫をめぐって起こる様々な問題解決のヒントになる情報を提供 |
ファミリーサポート事業(厚生労働省)
概要:乳幼児や小学生等の児童を有する子育て中の労働者や主婦等を会員として、児童の預かり等の援助を受けることを希望する者と当該援助を行うことを希望する者との相互援助活動に関する連絡、調整を行うものである。
NPO法人子育てひろば全国連絡協議会
概要:全国で子育て支援に関わる皆さんとネットワークを組み、子育て・子育ちをめぐる情報の共有や相互交流を深め、「場」をもち地域に根ざして活動することの意義を広く社会に伝えていきます。
祖父母だからこそできること
子どもの情操教育を豊かにするためにも、昔からの生活の知恵を使いこなしたいものです。時間に余裕のある祖父母だからこそできるゆったりとした気持ちで、子育ての中に先人の知恵を取り入れましょう。・童謡・わらべ歌
・絵本の読み聞かせ・お話の語りかけ
昔ながらの子育てのいいところが見直されて来ています。わらべ歌や語りかけなどの日々のコミュニケーションが大切です。情報として知っていても、実際に行動に移して体験してみるのとでは、大きな隔たりがあります。祖父母の皆さんは恥ずかしがらずに実際に子どもと触れ合ってやってお手本を見せてあげてください。童謡や昔話などや手遊びなど見せてもらうことは、若いママやパパが過去にしてもらった記憶を思い出したり新たなる体験と成ります。
子育ての先輩として悩みを聞いてあげよう
慣れない子育てに頑張っている子世帯の話を、否定や批判はひとまず置いて「そうなんだ」「大変だったね」「頑張っているね」と受け止めて聞いてあげましょう。誰でも一生懸命頑張っている自分のことを理解して見守ってくれる人が居るというだけで、エネルギーが湧いてきます。苦労している自分を受け止め聞いてくれる人が居るという信頼関係が築けると、先輩のアドバイスを受け入れやすくなります。孫とすぐに会えない距離に住む祖父母は、文明の利器の携帯電話を使いこなすチャンスです。子世帯を心配して電話しても、バタバタしている時にはありがた迷惑な場合もあります。携帯メールなどを使いこなし「電話しても大丈夫?都合の良い時を知らせてね。」など、相手の都合を聞いてみるのも今風なエチケットですね。親切心の電話が「今、せっかく寝たところだったのに…」などと迷惑がられては祖父母としてはショックです。相手を思いやる気持ちはお互いが持ち、子どもの中に眠る資質が花開くように家族で温かく見守る環境を心がけましょう。