この友達とは関わってほしくないなと思ったら、どうすべき?

子供の友達関係、ときに気になることも…。

子供の友達関係、ときに気になることも……。

親が付き添って公園に行っている幼少期は、その場にいる分、公園でだれとどんな風に遊んでいるかが見ることができ、トラブルがあればその場で介入することもできました。しかし、幼稚園、そして小学校に上がると、親と離れているところで過ごす時間が増え、子供たちが自ら交友関係を広げていきます。それにともない、親が子供の交友関係にもやもやしたり、やきもきしたりすることも増えるようです。

そこで今回は「親としてはこの子とは関わってほしくないな……」と感じたときなど、子供の友達関係が気がかりなとき、どう向き合っていったらいいのかを見ていきます。
 

親が「仲良くしてほしくないな」と感じる友達関係って?

子供の交友関係に親がどこまで口出ししていいのか、なかなか一筋縄にはいかない問題です。いじめや仲間外れなどは、明らかに親や学校が介入すべき問題ですが、「できればあの子とは付き合ってほしくないな」という状態は迷うケースが多いようです。見守っていいのだろうか、でもそれで嫌な思いをしないだろうか、もしつられて問題を起こしてしまったら……と心配は尽きません。

私も育児相談などでたまに聞くことがあるのですが、それを総合すると、親があまり快く思えない付き合いというのは、
  • すぐ手が出る子
  • けんか早い子
  • 友達を手下のように扱う子
  • 「あれやれ、これやれ」と指示を出す子
  • 度胸試しを強要する子
などといったような場合に親がどうしたものかと考えてしまうことが多いようです。
 

ギャングエイジにおける親のもどかしさ

このような心配が増えるのは、小学校2年生を過ぎた頃なのですが、それには子供たちの心理発達も関係しています。

これまでに「ギャングエイジ」という言葉を聞いたことがある方もいるかもしれません。小学校中学年、年齢でいうと8~10歳くらいの子供たちを指すのですが、この頃から、友達の存在が大きくなり、仲間意識が強まり、群れで行動することを好むようになります。それより小さい時代の友人関係というのは、たまたま隣になったというような理由で発生することが多く、あまり継続性がないと言われていますが、ギャングエイジに入ると、友達を選ぶようになり、「親よりも友達優先」というような行動が増えてきます。
 
もしかしたら、「gang」と聞いて、なにか悪いイメージがあった方もいるかもしれませんが、そもそもの意味は、「仲間」や「遊び友達」のようなもので、「不良」とか「非行」というニュアンスではありません。ただこの時期は、まだ判断力も十分でない中、仲間意識が高くなるので、ときに悪ノリや悪ふざけになることがあるのも事実です。
ギャングエイジ、悪い友だちとの付き合い

ギャングエイジでは、判断力も十分でない中、仲間意識が高くなるため、ときに悪ノリや悪ふざけに

親が気になってしまうのは、この悪ノリや悪ふざけの程度だと思います。とくに協調性が高く、穏やかな気質を持つお子さんは、リーダー格の子が「○○やろう」と言うと、なんとなく、それに従ってしまうことがあるものです。親としては、やきもきしますし、日々もどかしく感じている方もいるのではないでしょうか。

ただ、仲間の中にリーダー格の子がいてその子が遊びの主導になる、これは今も昔もあることで、世の中全員がリーダーにはならないですし、そういう中で遊ぶ方が楽だと感じる子もいます。仲間の中にそれぞれの役割があったりするものなので、大人目線だとバランスが悪いと感じても、基本的に子供に不満がなく、悪ノリはしていないのなら、それがその仲間のバランスということなので、親は見守っていくのが望ましいでしょう。

しかし、明らかに問題となる行為に関わっている場合はもちろん話は別です。以前、小学生の間で走っている車の前に飛び出す危険な“度胸だめし”が流行り、ツイッターなどで拡散されたことがありましたが、まさに赤信号みんなで渡れば怖くないの心理で、よその家の壁に石をなげたり、ピンポンダッシュしたり、このような愚行は許すわけにはいきません
 

何より大事なのは、子供が自分で見極める力

ただ、この時期は子供のすべての行動を把握しきれていないのが現実であり、様子を聞こうとしても、「ふつう」「いい感じ」と返されて、今、わが子がだれとどんな風に付き合っているのかが見えない場合も多々あります。実際、ある日突然、学校から電話がかかってきて、そこで初めて状況を知ったというケースもあるようです。

コミュニケーションを密に取り、状況を知ろうとする努力はもちろん大切ですが、この年齢以降、外で過ごす時間はどんどんと増えていくことを考えると、何より大事なのは、その子が「ここまではOK、でもこれ以上はダメ」という判断と抑制ができることと言えるでしょう。

心理学で「社会的絆理論」というものがあり、そこでは「非行の要因」について言及しています。特徴的なのが、「なぜ非行をするのか」ではなく、「なぜ非行をしないのか」という観点から見ているということです。その中で、非行の抑制要素として挙げられているのが「絆」です。
悪い友だち付き合い

親が「あれやるな、これやるな」と行動を制限すること以上に、親子の絆が逸脱行動のリスクを下げる

愛情ある絆がそこにあると、非行行動が生じる可能性は低くなると考えられており、実際に、「なぜ非行に走らないのか」と聞かれた学生が、「親を悲しませたくないから」と回答したことが広く知られています。これで分かるのは、親が「あれやるな、これやるな」と行動を制限すること以上に、その子が自分の行動を両親と分かち合っていることが、逸脱行動のリスクを下げるということです。「親の顔に泥を塗るような行為はやりたくない」と、そこで自己コントロールが働くわけです。

これを踏まえると、子供との絆を強化することが、見えにくい学校生活の友人関係をも支えることにつながるということです。離れていても、自分をいつも心の中で守ってくれているということが、その子の抑制力につながっていくので、「あれするな」「これするな」と指示だけ出して対処するのではなく、精神的な絆、つまり親子間のアタッチメントを確固なものにすることが大事になってきます。


小学校の半ばというのは、勉強も難しくなり、友人関係も複雑になることから、親としての悩みの質が変わってきたと感じやすい時期でもあります。そんな大変な年頃ではありますが、親子の会話を意識的に増やし、絆を強めていくことで、悪い誘いに乗らない心の強さを蓄えていってほしいと思います。

【関連記事】

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。