<目次>
行儀が良い子どもに育てたい……子どものしつけ
良い手本を見せながら焦らず見守っていると必ずできるようになりますよ
挨拶することは気持ちの良いことだと手本を見せよう
A:人から何かしてもらった時に「ありがとう」や、悪い事をしてしまった時にお詫びの「ごめんなさい」を子どもが伝えられないと、親として歯痒く恥ずかしいと思いがちです。しかしそんな時は、無理に謝らせたり、お礼を強要するのは避けましょう。子どもは「親の行動を真似する」という特性があります。 親が謝罪や感謝の気持ちを言えるなら、子どもも必ず同じような挨拶の仕方を真似する時期が来ます。時間がかかるかもしれませんが焦らないで大丈夫です。親が手本となる気持ちよい挨拶が言えるように心がけましょう。 挨拶から受ける、気持ち良さや嬉しさを言葉にして表現していると子どもも真似しだすようになりますよ。 形式だけを優先したり、強制して叱るのは止めませんか? それよりも挨拶が言えない子どもの気持ちに寄り添った言葉掛けをしてみましょう。
恥ずかしがったり、ビックリしたり、緊張したり子どもなりに様々な理由があるはずです。子どもの目線に立ち「こんな時は、こんなふうに謝ろうね。」や「~してもらって嬉しかったら、感謝している気持ちを言葉で伝えようね」などと繰り返し、挨拶の重要性を話し合うことが大切です。上手く言えた時はすかさず褒めてあげましょう。できない時に注目するよりできた時に注目する方が上達します。
しつけの目的は自立できる子を育てること
子どもが将来、自立して快適な社会生活を送れるようにすること、またそのために立ち居振る舞いのマナー等を教えることが「しつけ」の目的となります。子どもに伝えたいしつけを親が「手本」として日常生活の中で実行し続けましょう。トラブルが起きた時は、「心の中でしまった!と思ったことは言葉で表現すると、ごめんなさいの気持ちが伝わるよ」と、そのつど説明してみましょう。子どもとおしゃべりを楽しみましょうとお伝えすると「子どもに何を話しかけたらよいかわかりません」と相談されることがあります。日常に起こる全てのことを親がどう感じているかを語りかけることが、感性や情緒を育てしつけに影響を与えます。
弁解よりも責任の取り方が大切
こんな場面を見ました。セルフサービスで商品を自由に選ぶお菓子屋さんでの出来事です。ショーケースに設置されているロールカーテンをいじって遊んでる7歳位の男の子がいました。お母さんは男の子に「止めなさい!」と注意していましが、しかし男の子は止めませんでした。ついにロールカーテンが商品にぶつかり、プリンの1つがショーケースから飛び出して床に転がってしまいました。プリンは形が崩れ、売り物にならない状態です。お母さんは事故が起きてから「だから止めなさいって言ったでしょ!」「あんたはちっとも人の言う事を聞かない子なんだから」と怒鳴って子どもを責めています。その場に居合わせた人たちの間に気まずい空気が流れます。お店の人は「結構ですよ」と落ちた商品を回収しています。男の子は自分の失敗の反省よりも、お母さんの怒鳴り声やお店の人の「いいですよ…」の声に畏縮して怯えている雰囲気です。
もしお母さんが、売り場で悪ふざけして遊びだした時に「止めなさい。ここでそんなことすると、どんなことが起こるか考えて見なさい!」と注意していたなら、この男の子の心の中には親の注意を無視して、商品を壊したことを素直に反省する気持ちが芽生えたのではないでしょうか。
なぜ注意されるのか? 子どもに考えさせる習慣をつけよう
「注意するのには訳がある」ことを伝えきれなかった親にも責任があると思いました。トラブルが起きてから人前で怒鳴られるという子どもの気持ちは、自分の失敗を反省する以上に、屈辱感を味わうことになってしまいます。お母さんは失敗を怒鳴る以外に方法はなかったのでしょうか?転がって壊れたプリンを子どもに渡して、子どもと一緒に店側に詫びた後に支払いを済ませ、帰宅後その壊れたプリンを男の子が食べる方が、2度と同じ過ちをしない「学習のチャンス」になったのではないでしょうか。
お店の人が「買わないで結構です」と言っても、謝罪と失敗の責任をとる意味で「この子の反省のために買わさせて下さい」と言える親の姿は、子どもの記憶に残るのではないでしょうか。
とっさの時に失敗をした子どもを突き放し「注意していたのだから、親の私は悪くない」と言わんばかりの態度は、子どもの信頼感を失うことになりかねません。子どもは全てのことを「手本」として学んでいるのです。親も子どもと共に人として成長していきましょう。
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