子どもの一言にイライラするのはなぜ?
<目次>
子どもの一言にイライラする……なぜ腹が立つのでしょうか?
腹を立てないで聞くための、ちょっとしたコツ
A:子育て中にはイライラすることが多いですね。イライラしてしまうのも辛いし、イライラしている自分を「どうなの……私?」と考え出すとよけいに迷路に入ってしまいます。良いにつけ悪いにつけ、自分が自覚しているポイントを相手に指摘されると、感情センサーの針が反応するシステムがあります。相手が子どもであればなおさら「なんでこんなことを、子どもから言われなくてはならないの?」と感じてしまいがちです。会話とは情報や感情を伝えることです。お互いに無意識レベルで内容を自分流に翻訳して受け取るために、誤解が生まれやすいのです。翻訳のセンスやリズムが同じ場合には会話は心地よく続いていき、相性のいい人間関係となります。しかし伝えている内容は同じでも、肯定的に聞く場合と否定的に聞く場合では、会話の流れは大きく違ってしまいます。腹を立てないで聞くためにはちょっとしたコツがあります。
・ 自分の反応をひとまず置こう
・ 相づちのバリエーションを持とう
・ ボディーランゲージに気をくばろう
自分の反応をひとまず置こう
会話がスムーズに流れるためには、話の内容を自分の価値観で判定するのをひとまず置いてみましょう。ご質問のママは「ママみたいに会社に勤める人には絶対なりたくない」と聞いた瞬間に、自分を否定されたように感じてイライラ!自分を否定している子どもに何と反論を返そうかと次にしゃべる言葉を頭の中でさがしていて、聞くことに集中できていないのでは?子どもが話の中で一番伝えたかった「自分のお店を持つ人になりたい。何屋さんかは決めてないけど」この2つのポイントを聞き逃しているようです。自分を否定されたり攻撃されていると感じると冷静に話せなくなります。会話の内容を自分の判断基準を通さずに、まずそのまま聞きましょう。会話を自分に対する否定や攻撃、嫌味と感じる必要はまったくないのです。スムーズに話しが聞ける人との違いはこの辺にあります。相づちのバリエーションをもとう
「うんうん」「そうなんだー」「聞いてるよ!」といった相づちを試してみましょう |
ママが「私の話を受け止めて聞いてくれている!」と思えたら信頼感が生まれ、会話が弾んでいきます。自分を否定されていないと思えば「○○屋さんなんてどうかな?と考えてるの」など、お子さんの夢や次へつながる言葉が出てきます。「○○屋さんを考えているのねー」と相手の内容をくり返すだけで会話は続くので、ママはイライラしなくてもいいはずです。バリエーションがある相づちを打てるようになると、会話は楽しく盛り上がるのではないでしょうか?
ボディーランゲージに気をくばろう
ママがいくら内容をまとめた相づちで返事をしたとしても、身体全体から発している雰囲気が恐かったり不愉快そうな口調では、子どもは話をづつける気持ちになれません。「目は口ほどにものを言う」と言われるように、子どもは勘が鋭くてママから発せられるボディーランゲージにはとても敏感です。口では肯定していても態度が否定的では子どもは混乱するばかりです。何を信じていいのか信頼感が持ちにくくなります。そんな会話を続けていると思春期になった頃には親のほうからいくら話しかけても「べつに……」「わかんない……」「いいでしょ!ほっておいて!「うるさいなぁー」と会話を拒まれるようになってしまいます。
肯定的に聞くってどういうこと?
「肯定的に相手を受け止めて聞きましょう」とお伝えすると「そんなに何でも相手に賛成して聞くことは出来ません!」と勘違いされる場合があります。肯定的に聞くとは、相手が抱えている問題はそのままに、どの部分を伝えたいのかな?と探す気持ちで聞くことです。自分の認識と違うものであってもいいのです。相手の発言の中にご自分の気持ちや価値観を入れて判定せずに、シンプルに聞く練習をしてみましょう。
話を上手に聞くのはとても難しいことです。聞くことよりも、話す側になり受け入れてもらいたい願望が、誰にでもあるからです。
意識して会話をするだけで、練習になります。もしイライラしたなら、どの部分にイライラしたかを思い出して分析してみると、自分の気持ちがわかって来ます。自分で自分のイライラした感情を「そうだったのか、よしよし」と受け止めるだけでも、かなり癒されます。自分を受け止めることが上手になると、人も受け入れやすくなり、聞き上手になれますよ。