親が子どもにできることは?
「お腹がすごく痛い」「頭がガンガンする」など、子どもが身体の不調を訴えたら、よく話を聞いてあげながらその症状を改善するようにしてあげるのはもちろんですが、症状が続くようなら決して「怠け癖」と一蹴するのではなく、子どもの様子や周りの状況をよく観察して、医師やカウンセラーに見せて判断を仰ぎたいものです。しかし、子どもへの抗うつ剤投薬に関しては、未だに専門家の間でもその効果と副作用について大きな論議もあり、担当医とよく話し合い、いろいろな可能性を知っておくことが重要でしょう。
「家庭の健常性」について
子どものうつは家庭環境ともかかわりが |
子どもをうつ病にしてしまう傾向の高い家庭とは、どういう家庭なのか。逆に、子どもをうつ病にしない家庭とはどういうものか。専門的な情報を探すにつれ、ガイドは「家庭の健常性」という言葉に出会い、今の世の中で「健常」って一体どういうことを言うのだろうと、多少の違和感を持ちながら考えていました。
それは決して、「絵に描いたような幸せな家庭」ではないということは、経験的に分かるのではないでしょうか。どんなに恵まれていると傍からは思われる環境にも、子どもたちにはいろいろな問題が起きています。甘やかしがいけないとか、いやむしろ厳しいのもいけないとか、そんな単純なことでも
ないような気がします。
家庭環境と子どもの抑うつについての研究などを読むにつれ、子どもが不調を訴えたとき、家庭がそのバッファになれるかどうかが、親に出来る最初のことなのではないかと思いました。
家庭内の力学が、偏っていないこと。母親や父親のどちらかが心理的に著しく「遠い」場所にいないこと。親子の間に極端な「支配と被支配の関係」がないこと。ガイドが注目した研究では、母子・父子家庭ではむしろ子どもは抑うつ感を感じる度合いが低いのに驚かされました。それは、親子の間に共同生活者としての連帯感があるからなのかもしれません。
子どももまた、家族の大事な構成員。決してその存在を軽んじるでもなく、極端に重んじるでもなく、親(夫婦)と子どもたちの距離がそれぞれにバランスよく取られていることが子どもにとって「健やかな家庭」なのでは? 子どももまた、家庭から自立していきます。その自立を助け、送り出すのが家庭の役目なのですね。