子供が被害者となった陰惨な性犯罪が後を絶ちません。万が一のことが起こった「そのとき」、子供を守るのは子供自身。学校、家庭、地域が一体となった子供の防犯教育の現在とは。

≪INDEX≫
1: 子供が自分で自分を守るために――「警戒力」を養う・・・P1
2: 精神論ではなく、具体的な対処法を――CAPの広がり・・・P1
3: 危険な場所、危険な人とは――「地域安全マップ」の作成・・・P2
4: 子供は「自分のせいだ」と口をつぐむ・・・P2
5: 「子供が人を疑ういやな時代になった」、本当にそうだろうか?・・・P3

子供が自分で自分を守るために――「警戒力」を養う

ここ数年というもの、子供が被害者となった陰惨な犯罪が後を絶ちません。事件報道があるたびに、「また子供が」「なぜ」と、社会の犯罪に対する怒りは深く新たにされるものの、犯罪の形は手を替え品を替え、ますます巧妙に、そして常軌を逸して行くかのように見えます。

しかし、度重なる悲劇と、保護者たちの不安の高まりの一方で、子供を犠牲にした犯罪者は決して遺族が望むようには罰せられていないという現実があります。先般2006年7月4日に判決が下された広島の小1女児殺害事件は、「性犯罪の現実を隠したくない」と、被害者である木下あいりちゃんの父親による実名公表が波紋を広げ、裁判の行く末が見守られました。しかし検察によるヤギ被告の死刑求刑に対して、判決は仮釈放の余地のある無期懲役にとどまり、司法と遺族感情の温度差を感じさせられました。

「子供を犯罪から守ろう」。子供たちの保護者はもちろん、学校や地域の危機感が高まり、登下校の見守りや地域パトロール、万一の時に子供たちが逃げ込める「こども110番の家」の広がりなど、連携を通して様々な試みがされています。しかし、その網目をかいくぐるかのようにして報告される犯罪の数々。最終的には、「そのとき、その場で」子供が自分で自分を守れるか、そして「そのとき」を回避できるよう、普段からの警戒力を養えるかどうかにかかっているのではないでしょうか。

精神論ではなく、具体的な対処法を――CAPプログラムの広がり

では、子供たちには何を、どう教えれば良いのでしょう。「危ないから気をつけよう」では、そもそも犯罪というものがどういうものか、自分たちにどういう危険が及ぶのかを知らない子供たちには、わかりません。

いつ、何に、どう気をつけたら良いのか。こういう場合にはどう行動すべきなのか。それぞれの「そのとき」に応じて子供たちが実際に使えるよう、子供たちには、具体的で「伝わる」教え方が必要です。

CAP(=Child Assault Prevention)という、子供のための犯罪防止プログラムが、このところ学校教育現場に浸透しています。授業の中の数時間を使って、CAPのトレーナーが寸劇を通して、誘拐やいじめ、性的暴力への対処法を教えます。世の中には、子供に対して悪意を持つ大人がいるということ、あなたが不快なことをされたら、いやと言っていい、信頼できる大人に話してもいいのだということを教えられた子供たちの中には、押し殺してきた感情を吐き出して涙を流す子供もいるといいます。

これらの学校におけるCAP活動の多くが、保護者たちからの積極的な働きかけで実現に至ったものだという点が印象的です。学校もまた子供を対象とした(性)犯罪の舞台となる現実に、CAPトレーナーという第3者の介在が必要となっているのです。

性犯罪の場合は特に、性の知識を教えることと表裏一体です。多感な子供たちに具体的な性犯罪の存在を教えることには、日本の教育現場では未だに抵抗が残ります。CAPの広がりは、保護者たちが、子供たちに性犯罪をどう教えれば良いのか、模索していることの現れかもしれません。

【子どもに性犯罪をどう教えるか】from All About[幼稚園・保育園] 

【子供の性に関する疑問に答える!】 from All About[育児の基礎知識]

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