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秋冬のせき……かぜ?肺炎?ぜんそく?アレルギー? お子さんのその咳、大丈夫?(2ページ目)

秋が深まっていきますね。気温が下がるに従って子どものせきが心配に。せきが軽いからと放置したがために、大変なことになることがあるのです。子どものせきの原因と予防策を考えてみました。

河崎 環

執筆者:河崎 環

子育てガイド

お子さんのせきは気道のどこで起こっているか?

咳の出る原因となる場所には4箇所あって、上から下に向かって、

副鼻腔(顔の中にある小さな空洞)
咽頭(のど)と気管
気管支(気管から肺への空気の通り道)

と分かれています。

副鼻腔からのせき
お子さんの咳が湿った咳なら、副鼻腔炎を起こしている証拠です。副鼻腔とは鼻汁を作るところで、副鼻腔がウイルスや細菌感染を起こして鼻汁が分泌され、これが喉の奥を伝って流れていく時に咳の中枢(のどの中、気管の分かれ目の直前)を刺激して、気道に流れかけた鼻汁を咳で逆流させて飲み込んだり吐き出したりさせるのです。そのため、子どもが就寝時に激しく咳き込んで吐いてしまうことがありますが、これは姿勢を変えてやることで治まったりします。

こういった理由から、鼻汁が原因となるせきは、長引いても心配ないそうですが、7日から10日以上続く場合は、他の病気に移行していないかどうかチェックする必要があるでしょう。

咽頭(のど)と気管のせき
まったく痰がでない乾いた咳であるとき、まず疑われるのはウイルス感染の咽頭炎だそうです。ところが、子どもは副鼻腔炎と咽頭炎を併発することがあるので、乾いた咳と痰がからむ湿った咳の両方を一緒に起こしてしまうこともあります。

ただ、この咽頭炎の咳は、何かしらの咽頭・気管への刺激(冷気、走ること、笑うこと、話すこと、など)が引き金になって起こるので、四六時中咳をするというようなことはありません。咽頭炎の咳もまた、副鼻腔炎と同様、それほど危険はないと考えられています。

→《クループは例外!!》
5歳未満の子がかかる咽頭炎のなかで、せき、発熱、声枯れ、声が出にくいなどの症状を伴うものは「クループ」と呼ばれ、厳重な注意が必要です。呼吸に従って、無理に狭くなった気道を空気が出入りしようとするので、耳障りな悲鳴のような声を出すのが特徴です。これが更に悪化すると、物が飲めなくなり、ヨダレを垂らすなど、気道が詰まってしまいます。このような時は直ちに受診しましょう。

しかし、そのような重篤な状況に陥るのはごくまれで、浴室や加湿器で蒸気を吸わせれば落ち着くものがほとんどです。


気管支のせき
子どもが風邪やインフルエンザにかかった時、実は発症することが多いのが気管支炎です。気道の少しだけ深いところ、すなわち気管支が感染を起こし、冷気や走ることで刺激されて持続的なせきが出ます。しかし、起きているときとは逆に、夜寝ている時には軽くなるのが特徴です。

ひょっとして肺炎?
子どもが呼吸するたびにゼロゼロという音を出している時、親は「ひょっとして肺炎?」と心配になるものです。が、実際に肺炎にかかった時の胸の雑音は、そんな大きなゼロゼロ音とはかけ離れた、「パチパチ」という聴診器でしか聞こえないような、かすかな音なのだそうです。肺炎は、子供の場合は軽症が多く、見つからないまま完治してしまうこともすくなくありません。

しかし、気管支炎にも肺炎にも共通して言えるのは、「ウイルス性よりも細菌性の場合はずっと重い」ということ。細菌性肺炎では症状の進行も早く、胸の痛み、寒気、震えなどを訴え、高熱を出してグッタリしながら、苦しそうに早い呼吸を繰り返します。このような場合は、いずれにしてもすぐに医師の診断を仰ぎましょう


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