うつ症状に陥ってしまった人が自分でできることとは、一体どんなことでしょうか?
心理カウンセラーは次のようなことをすすめています:
●日常生活の手を抜く
手を抜けない、「頑張り屋」のあなた。でもとてもささいなことでも手を抜けることはあるのです。例えば夕食は一品くらいお惣菜でもいい。人間関係も、70%くらいの付き合いでいいんです。だから、とにかくまず手を抜いてみましょう。
●優先順位をつける
あれもこれも頑張りすぎてオーバーヒートしているあなた。家事も、仕事も、PTAも、お稽古も親戚との人間関係もぜーんぶ完璧にこなそうとして、あげくの果てに全部なげだしたくなったりしていませんか? 自分が抱えていることに優先順位をつけてみて、4位以下は一時的に休んでみましょう。3位以内に入ったものについては(普通家庭とか仕事とかが多いのですが)、上手に手を抜いて、だらだらとなんとなくやりすごすという風にしましょう。(この手抜き、なぜか意外にも他人は気づかないものなのです。普段あなたがいかに頑張っていたかという事がよくわかります。)
●人生の大事な決断をしない
もうだめだという感覚から楽になるために、急に離婚したり仕事をやめたりしたくなる衝動があるものです。その前にちょっと待って。人生の大事な決断をするのはこの時期は避けましょう。それよりも、自分の理想に対して30%くらいの力で、手を抜きつつだらだらとこの時期を切り抜けるのです。例えば、夫との不和のストレスなら、いきなり離婚したりせずにとりあえず実家に帰ってみるとか。会社の仕事がストレスなら、いきなり辞表を出さずに、とりあえず一週間の休暇届を出しましょう。そして、うつ症状がおさまって思考能力が自分本来の感覚に戻ってから、よく考えて決めましょう。
●自分が完ぺき主義であることを知る
知らず知らずのうちに100点を目指してしまうあなた。理想とする姿と、現在の自分とのギャップにも苦しんでいるはず。あなたは、自分で作り出した理想像で自分を苦しめてしまっているのです。
●自分のパターンを知る
例えば生理前にひどく精神的につらくなったり、または試験前だったり。雨の日は必ずつらくなる、という人もいれば、日当たりの悪さでうつがひどくなる人も。5月病に代表される、季節的なものや、子供の入学の年に必ず発症するという人もいます。自分のパターンがわかれば、予防ができますね。
うつとは、「自分に高いハードルを設定してしまう病」ともいえるかもしれません。自分自身との上手な付き合い方を覚えたいものですね。
監修: 臨床心理士・家族相談士 生田倫子(いくた みちこ) 先生
国立療養所岩手病院神経科・心療内科 心理療法士・心理判定士を経て、和光大学人間発達学科講師、神奈川県警察本部被害者支援業務委託カウンセラー、横浜市教育委員会学校相談リーダー養成講座(上級)講師、NPO法人MCR(ひきこもり・家庭内暴力児相談)コンサルタント、他
生田先生がたずさわるNPO法人MCR不登校ひきこもり研究所はこちら
家族支援・子育て支援・虐待防止などの相談、家庭教師派遣、
各種セミナーや講演会を実施 専門分野:(家族問題、
子育て支援、不登校、引きこもり、虐待防止、他)
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