熱もないのになぜか体がだるい、やる気が起きない・・・
そんな自分がふがいなくて、涙が出てくる。
それは「うつ」の注意信号?こころの風邪と言われるうつ、
子育て世代の女性は、実はとてもかかりやすいのです。

監修: 臨床心理士・家族相談士 生田倫子(いくた みちこ) 先生



《INDEX》

Page1 「もしかして私は”うつ”なの?」/隠れうつキャラ:ハイパーうつ症!

Page2 医師はこれを基準に診断する

Page3 女性のうつの原因は?

Page4 どうやって治すの?《カウンセラーにかかる》/なぜカウンセラーが必要なの?

Page5 どうやって治すの?《精神科・心療内科などにかかる》/こんな症状が出たら迷わずクリニックへ

Page6 自分でできることは?



「もしかして私は”うつ”なの?」

体がだるい、何をしても楽しくない、人と会いたくない・・・そんなひどい落ち込みを経験したことはありませんか?いつもは普通にこなしているはずの家事をとにかく全然したくなくなったり、イライラから子供にひどく八つ当たりしてしまったり、そして、そんな自分が情けなくなって独りで泣いたり。

実は、そういう子育て世代の女性は、本当に多いのです。子育て・家庭・仕事と、多方面に責任を負う主婦は、環境的にもうつを引き起こす多くの要因に囲まれています。

うつの症状は、次のような形で現れます:

・掃除、洗濯、すべての家事がとにかくおっくう
・夫の帰りが遅いことに、「他に女がいるのでは」等、過剰に悩む
・夫婦生活にまったく興味がなく、拒否する
・子供に愛情がもてない、可愛いと思えない
・自分なんて価値のない人間だと思う
・特に明確な理由もないのに、涙が出てくる
・自分が今日着る服も全く決められない
・朝から夕食の献立を考え続け、夕食の時間になっても決まらない
・人と会うのがいや


隠れうつキャラ:ハイパーうつ症!

先に挙げた症状は、 ノーマルタイプで分かりやすい、いわゆる「一般的なうつ」です。
しかし、臨床心理士の生田倫子(いくた みちこ)先生によると、先生が臨床経験をつむうちに、一見やたら元気でハイテンションの、ハイパーうつ症(生田先生のネーミングで、学術用語ではないとのこと)の人が結構いることが分かりました。

ハイパーうつタイプの特徴は次の通りです:

・やらなければならないことがたくさんあって、あっちこっちと飛び回るものの、何事もあまり前に進んでいない
・「てんぱっている」感覚、ヒステリックになっている感覚があり、周囲から見ると空回りしている
・状況や周囲の人が全く思い通りに動かない、と不満を持っている
・つねにイライラしている
・周囲の人を責めたい気持ちでいっぱい
・「とっても、大変そうですね」とか、「もうちょっと落ち着いたら・・・」と言われる
・ハイテンションの時期が過ぎるとひどくぐったりし、憂鬱になる。気分に非常に大きな波がある


どうでしょう。まわりにこんな方はいませんか?これは一見、躁鬱(そううつ)病?と思うかもしれませんが、違います。(生田先生によれば、「躁状態はこんなものではありません」とのこと!)

ノーマルのうつの人は、本人もあまり動かず、見た目も憂鬱そうで、周囲の人も気遣ってくれることが多いのです。しかしこのハイパーうつ症はかなり曲者!本人はハイテンション、まわりはうんざり・・・だれも気遣ってくれません。それに、一見元気なので病院やカウンセリングにもつながりにくいのです。

生田先生の経験では、ぐったりしていておとなしく薬を飲んでいる人のほうが早く治るようです。しかし一方、ハイパーうつの人も治ってくると「この人って、こんなに落ち着いた柔和な表情ができるんだ・・」と感動すら覚えるとか。

さて、「頑張る主婦」、そんな充実しているはずの生活に突然襲ってくるブラックホールのようなうつ。毎日頑張っているあなたにも、思い当たることがありませんか?


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