■勉強を遊びの一部にする
米コロンビア大教育学教授ルーシー・カルキンス博士、他
子供は基本的に物事を発見する事が大好き。クレヨンやブロック、ぬいぐるみやアクションフィギュアからも子供は学ぶ。大事なのは、多目的でエンドレスに遊べるおもちゃであること。おもちゃ箱から出すおもちゃを一回に数個までにし、刺激を与えすぎないようにすると、子供は飽きてしまったりすることがない。
■本に囲まれた環境を作る
米ハーバード大研究グループ
習慣的に本を手にすることのできる環境は、子供の読解力を高める。何らかの活字――新聞、雑誌、本、図鑑などがいつも手近にある事が理想的。書斎などにひとまとめにするのでなく、テーブルの近く、ベッドサイド、ソファの足元、車の中などにも転がっているのがよい。字の読めない幼い子供にも、たとえ破って遊ぶことになっても古い雑誌などを与えてみる。読み聞かせは効果的。何が起きたか、これから何が起きると思うかなど、積極的に参加させることで読書の楽しみを教える事ができる。
■子供の自然な興味を育てる
米シカゴ大の研究より
子供の興味が発芽したら、それを育てるようにする。恐竜が好きになったら恐竜博物館に連れて行くなどし、たとえ他の子供と興味の対象が違っても、それを気にする必要はない。シカゴ大の研究によれば、優秀なスポーツ選手の多くは、そのスポーツに興味を持った時点で両親ができる限りそれをさせてくれたという共通点があるという。
■引き際を知る
NY州ロチェスター大心理学教授リチャード・ライアン博士、他
最もやる気のある子供を持つ親たちの共通点は、些細なことまで介入したりプレッシャーを与えたりしないことである。子供に「やり方が間違ってるわ、ちょっと私にやらせて」などと言うタイプは要注意。むしろ、サポートをしつつ、子ども自身に「やり方が間違っている」と気づかせることが大事。
■「正しく」問いかける
米コロンビア大教育学教授ルーシー・カルキンス博士
「これは何色?」などと分かりきった知識のクイズをするよりも、「~はどうしてだと思う?」といったような、親子が共に議論でき、新しいことを学べる問いを投げかける。同じく、子供が学校でどう過ごしたかを聞く時に、「きょうはどうだった?」と一般的に漠然と尋ねるのではなく、「教室のネズミはもう子供を産んだ?」のように、詳しく問いかけることで子供は自分の言葉で生き生きと語る事ができ、読み書きの能力も向上する。
■「ごほうび」はやめる
アルフィー・コーン(”Punished by Rewards”、1999)
何かを達成したり、何かをしたりすることへのごほうびは与えない。例えば宿題をしたらごほうびがもらえるということになると、子供の興味は宿題で何かを学ぶ喜びではなく、ごほうびそれ自身へと移ってしまう。ごほうびは子供の自然な好奇心を損ねることになりかねない。
■結果ではなく、プロセスを重視する
レイモンド・ロドコウスキ博士(”Creating Highly Motivating Classrooms for All Students”、2000)
親としては、往々にして結果を、ひいては子供の光り輝く将来を追い求めがちなもの。就学前には幼稚園のことが気になり、次は小学校、中高、大学と、将来に向けて準備することばかりを考えてしまう。しかしその情熱が子供に「あまりにも早く」「あまりにも多く」学ばせることになってしまっては、子供が自発的に学び続けることの芽を摘む。子供のやる気を何よりも育てるのは、その子の「今」していることに親がちゃんと、ずっと興味をもってくれることなのだ。
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