両親の不仲が喘息の原因!?

Q:先日、何かの医学記事を読んだら、こんなことが書かれていました。

「喘息持ちの人のほとんどが、両親の不仲を見て育ってきた。すなわち、両親の不仲を小さい頃から見てきた子供は、そのストレスで喘息になるケースが非常に多い」

これを読んでビックリしました。本当にそういうことってあるのでしょうか?

A:お答えします。「両親が不仲である子供は高い確率で喘息である」というのは、ちょっと信じられない記事です。少なくともそのような事実を客観的に証明したデータを私は知りません。「両親の不仲」の定義もあいまいであり、そうした調査を実際に行うのはかなり難しいと思います。

両親の仲がよければ、子供のストレスも少なくて済むでしょう
両親の仲がよければ、子供のストレスも少なくて済むでしょう
喘息患者さんの割合は人口の数パーセントを占めています。そのほとんどが両親の不仲を見て育ってきたのでしょうか。逆に、両親の不仲を見て育った子供は、喘息になることが多いのでしょうか。私はその記事を読んでいませんが、もしそのように断定しているのだとすれば、それには賛成できません。

喘息って、どんな病気?でも書いていますが、アレルギーを起こしやすい「アトピー体質」にアレルギーの原因となる「アレルゲン」を主に吸入することで起こった「気道の炎症」。これが多くの場合の子供の喘息の起こり方です。ストレスによって風邪を引きやすくなることからもわかるように、ストレスは身体に対していろいろな面から悪影響を及ぼします。しかし喘息の原因としては、アレルギーや感染といったものがほとんどで強いストレスが原因になることはあまりないと考えられています。むしろストレスは喘息を悪化させる要因であることが多いのです。ただ、喘息の発症にどれほど「ストレス要因」が関与しているか、調査は難しいです。 喘息の子供を持つ親としては、「どうしてうちの子が喘息になったんだろう」と思い、ご自分に責任があるのではないか、と考えられることも多いかもしれません。しかし「両親が不仲=喘息」と決めつけるような上記の記事は、そういった不安をあおるだけのように思います。責任感の強い方ほど、「自分たちが悪かった」と自分を責めてしまいます。 もちろん両親の仲がいいにこしたことはありません。しかし、子供の健康についてはもっと他にもいろいろと注意すべき点があります。たとえば両親(特にお母さん)の喫煙が発症に関与していることは明らかになっています。ストレスが原因と思っていたら、お母さんが喫煙していた、ということもあるわけです。 子供を喘息にしないための3ポイント(妊娠中編)(育児中編)(感染編)で書いたような、生活面での基本をしっかり見直して頂きたいと思います。

*ネット上での診断・相談は診察ができないことから行えません。この記事は実際の診察室での会話をもとに構成したものです。診断・相談が必要な方、お子様が病気にかかった場合は医院、病院で実際に受診してください。

<参考リンク先>
喘息クイズ(ぜんそく大事点ブログ)
小児気管支喘息ガイドライン(リウマチ・アレルギー情報センター)
喘息EBMガイドライン(日本アレルギー協会)
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