子供の病気/その他の子供に多い病気

緊急対応Q&A vol.6 突然の出血、どうしよう!

子供に怪我はつきものです。ひどい打撲・切り傷などで出血が続く場合、血を見るとあわててしまいがちですが落ち着いて!まず何をしたらよいか、知っておきましょう。

執筆者:長尾 大志


出血が続く、どうしたらいいの?

Q:うちの子が遊んでいて、ガードレールで手を切ったようです。そのときは軽い出血で済みましたが、深く傷ついて大量出血などの場合はどうすればいいのでしょうか…。

A:お答えします。ともかく落ち着いてください。そして、どこから血が出ているのか、確認しましょう。血が出ているところを正確に確認することが止血の第一歩です。

止血の方法

とにかく、出血している場所を押さえる。「押さえるだけ?」。そうです、それだけです。医療の現場でも、止血の基本は圧迫です。清潔なガーゼなどで出血している場所をしっかり押さえます。時間は最低5分程度。

手足の場合であれば、出血している部位を心臓よりも高く上げると出血の量を減らすことができます。多くの出血はこの方法で止まりますが、この方法で止まらない場合はどうすればいいでしょう?

間接止血法

もちろん、そのような怪我をしたときには救急車を呼ぶなどして、直ちに医療機関にかかる必要があります。事故などによる大怪我・深い傷でドクドクと大量に出血している場合です。体内の血液の3分の1以上を失うと命に関わります。

救急車が来るまでの間も猶予はありません。その場合、出血している部分よりも心臓に近い、動脈を圧迫します。手足の場合、幅の広い(3cm以上)布を使い、出血部位よりも心臓に近い場所を血が止まるまできつく縛ります
包帯や布で、出血部位よりも心臓側を縛ります
【腕の図】包帯や布で、出血部位よりも心臓側を縛ります

この方法は、縛った場所の先の血液循環を止めてしまいます。その結果手足の先が悪影響を受けるかもしれませんので、必ず縛った時間を記録して、定期的にゆるめるようにします。そして至急病院へ。

以上、なかなか冷静にはなれないと思いますが、こういう非常事態のときこそ、親として冷静に対処できるよう日頃から知識を蓄えておきましょう。

小さな傷の手当て

出血がそれほどでもない小さな傷の手当てについて。以前は消毒薬を塗って、絆創膏を貼る、というやり方が一般的でしたが、消毒薬は組織を傷めて治癒をかえって遅らせる、ということがわかってきました。また、絆創膏も通気が妨げられることから、使わない方が好ましいようです。

現在推奨されているのは、まず傷口を流水で洗う。流水は塩素で消毒されているので清潔です。その後よく乾かします。清潔なガーゼや絆創膏で覆い、保護します。覆っているものは出来るだけ早く剥がすようにしましょう。

*ネット上での診断・相談は診察ができないことから行えません。この記事は実際の診察室での会話をもとに構成したものです。診断・相談が必要な方、お子様が病気にかかった場合は医院、病院で実際に受診してください。

今回の記事は、以下のリンクを参考にしました。

出血の止め方(家庭の救急法)

出血(お子さま119番)お子さま119番>事故やけが>出血

応急手当(外傷)・多量の出血(日本赤十字社)
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