水疱瘡の症状……発熱後に出る赤いブツブツが特徴

子どもを診察する女医

水ぼうそう予防にはワクチン接種が有効です

水疱瘡(水ぼうそう)は正しくは「水痘」といい、水痘帯状疱疹ウイルスによって起こる病気です。このウイルスは、空気感染や飛沫感染、接触感染とほとんどの感染経路で広がるため、非常に高い感染力をもっています。感染すると2週間ほどの潜伏期間を経て発症します。主に子どもがかかる病気として知られており、9歳以下で発症するケースが90%を超えています。

症状はまず発熱で始まりますが、熱は3日程度でおさまります。熱が出て1~2日後から、水疱瘡の特徴的な症状である発疹が皮膚に現れます。

発疹は、まず皮膚の表面に赤いブツブツ(紅斑)が現れることから始まり、それが数時間後には、かゆみを伴う水ぶくれ(水疱)となって全身に広がります。かゆみは、この段階でもっとも強くなっているので、かきむしったりしないように注意をしましょう。その後、発疹は粘りけのある液体を含んだ水ぶくれ(膿疱)となり、これがかさぶたになってから治癒します。すべてのかさぶたがとれるまで3週間ほどかかります。

水疱瘡感染……1歳未満の乳児と免疫のない妊婦は要注意

健康に問題のない子どもであれば、水疱瘡にかかってもそれほど病状が重くなることはありません。ただし一部では、熱性痙攣や肺炎、気管支炎などの合併症により重症化することがあります。水疱瘡を予防するためのワクチン接種は、生後12カ月からとなっています。また母親に水疱瘡の免疫がある乳児は、それをもらって生まれてきますが、生後4カ月頃までに、この免疫は徐々に失われてしまうといわれています。そうしたことから、生後7カ月から1歳未満の乳児は、水疱瘡の感染とその重症化に十分な注意が必要です。

大人が水疱瘡にかかった場合は重症化する傾向も

水疱瘡は一度かかると免疫ができること、多くの人が子どもの頃にかかっていたり予防接種を受けていたりすることから、大人の感染者はあまりみられません。しかし稀にですが、水疱瘡を経験せずに大人になった人もおり、そうした大人が感染すると重症化するリスクが高いといわれています。なかでも妊婦が水疱瘡に感染した場合はさらに重症化するとされ、流産や早産のリスクが高まり、胎児・新生児にも重い障害が残ることもあります。妊娠の可能性のある女性で、抗体をもっているか分からない人は、早めに抗体検査を受けておくことをおすすめします。

水疱瘡の治療法・予防法のポイント

水疱瘡の治療では、原因となるウイルスを退治するために、塩酸バラシクロビルやアシクロビルといった薬が医師から処方されます。発疹が出はじめてから2日以内に薬を飲むことが効果的で、これにより熱や発疹を抑えることができ、すでにある発疹が治るまでの期間が短くなります。そのほかに、かゆみを抑えるための薬や軟膏、熱を下げるための薬も治療に使われます。

水疱瘡にかかったら、患者本人はまず爪を短くしておきましょう。水ぶくれの中にはウイルスが含まれているので、かきむしって水ぶくれを破ってしまうと、周囲への感染をひろげてしまうためです。乳児の患者には手袋をさせるなどして、発疹をかきむしらないための対策をしましょう。

熱が出ている間はお風呂やシャワーは避けたほうがよいですが、熱が下がったらシャワーで皮膚を清潔にすると、かゆみを和らげることができます。ただしシャワーの後に体を拭くときには、水ぶくれをつぶさないよう注意してください。また感染を広げないために、本人も看護をする人も、丁寧な手洗いをこまめにしましょう。

子どもが水疱瘡にかかったら、病気が治るまで保育園・幼稚園や学校には行けません。症状が軽くなっても自己判断をせず、医師に相談のうえ、登園・登校の再開をしてください。

水疱瘡の予防には、ワクチン接種がもっとも効果的です。ワクチン接種によって9割以上の人に免疫ができます。ただしワクチンで免疫ができても、全体の2割ほどの人は水疱瘡を発症します。その場合でも症状が軽くすみ、重い合併症の危険が低くなります。
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