病院を受診させるときは、子どもにもわかりやすく説明するべき

病院

病院は子どもにとっては見知らぬ所?

言葉がまだ話せない乳児の受診はそう難しくありませんが、幼児や学童になってくると、「病院に行く」ということに対する不安が芽生えてきます。

病院に行くのは体調が悪いときや予防接種を受けるときでしょうから、例えば毎回病院に行くたびに注射されているような場合、「病院=注射・痛い・怖い」といったイメージが出来上がってしまうことも少なくありません。

小児科医として薦めたいのは、まずは本人が十分に理解できるかどうかは別にしても、子どもに病院に行った方がよい理由を伝えましょう。まだ、解らないと思っていても意外と子どもは子どもなりに理由を探そうとします。理由が解らないと、漠然としたイメージだけで不安になってしまうのは、大人も子どもも同じです。ですから、まずは、病院に行く理由を伝えましょう。「熱できついだろうから、お薬をもらって飲んだ方が楽になるよ」「怖い病気になっちゃったらみんなと遊べないから、パワーを注入しにいくよ」などと、前向きな理由があるとよいと思います。また、子どもにかみ砕いて説明することで、親御さんも病院へ行くべきだという理由が整理され、様子見でよいか医師に判断してほしいのか、○○の症状が辛そうだからとにかくその薬を処方してほしいのかなど、医師への訴えもはっきりします。

子どもに伝えるべき「病院はどんな所か?」ということ

急に知らない所に連れていかれると、誰でも不安になります。病院に行くのを嫌がっている子にとっては、「注射」などの怖いイメージだけが先行してしまっていることが多いものです。病院とはどんなところで、どんなことをしてくれる場所なのかを説明してあげましょう。

診察が中心になりますが、白衣を着た見知らぬ人と急に向き合うということは、子どもにとっては非日常で不安な気持ちになることかもしれません(もちろんクリニックによっては、白衣を着ない医師もいます。ただ、病院になると、医師は私服のような恰好とはいかないことが多いのです)。診察自体は痛くないのですが、痛くないかどうかがわからないと不安になり、聴診器を見ただけで泣き出して診療が大変になることもあります。こういった場合、家で少し診察の真似事などをしておくのもいいかもしれません。どんなことをするのか予め知っておくと、不安は減ります。

注射、点滴などの痛みを伴う処置になった場合も、その処置の理由を説明するようにしましょう。例えば、脱水症状がひどく点滴になった時には、「お口からお水をたくさん飲めるようになったら注射はいらないよ。でも、今は飲めていないので、お水を入れておかないときつくなっちゃうからね」と言ってから処置すれば、そのときは泣いてしまったとしても、次の受診時は、「今日はお水を飲めているから点滴はないから大丈夫だ」と子ども自ら、判って安心できたりもします。

病院の設備やアメニティをうまく活用する

また、病院には、いいのか悪いのか自動販売機や売店があることが多いものです。特に大きい病院では入院患者さんもおられるので、入院に必要なものが身近で手に入る必要があります(親御さんにとっては、子どもに「買って」とせがまれてしまうと感じてしまうかもしれませんが、決して、自動販売機や売店の売り上げによって医師の手当てが上がることはありません)。

子どもの場合、病院で苦手な診察や検査、治療を受けたら後に、何か楽しいと思えることがあれば、治療などの苦痛は和らぐものです。もちろん毎回、好きな物ばかり買い与えるのは良くないでしょうし、程度はあるかもしれませんが、これはその子に合わせてうまく使うこともコツだったりします。「病院に行くといつも買ってもらえないジュースを買ってもらえる」といった楽しみが、病院に行こうという気持ちにつながったりするものです。

また、小さい子どもが多い病院などでは、よくシールなどを用意していることがあります。病院にもよりますが、予防接種などを頑張ったときに渡したりしています。小児科などであれば、子供向けの壁紙を張り巡らせた待合室、絵本などの病院側の設備、または、待ち時間に使える子どものおもちゃなどを揃えていたりもします。これらもうまく利用して、病院に対するマイナスイメージを変えていくことも良いでしょう。また、共通の本やおもちゃは、どうしても菌やウイルスが付着していたりもしますので、おもちゃ類で遊ばせた後は、手を洗わせるなどの感染対策が大切です。

子ども一人一人、感じ方は異なります。上記の方法などがあることを参考に、なるべく親御さんも子どもさんも少ないストレスで、スムーズに受診できる流れを作っていただければと思います。
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