失われゆく仏壇の文化と技術を守る若者たち
300年の伝統を引き継ぎ超える |
「アートマンとはサンスクリット語で「自我」「魂」という意味です。本来、「atman」と表記するところを芸術「ART」と組み合わせ、日本の伝統美と、世界に向けてという想いを込め「ARTMAN JAPAN」というグループ名にしました。」
宮殿師 平林祐二 彫刻師 石川博紀
塗 師 伊藤広之 組立師 都築数明
見かけだけ形だけの「魂無き和柄Tシャツ」がはびこる中で、日々魂を込めて仏壇を作り続ける職人たちが、今まさにTシャツに新たな命を吹き込もうとしているのです。
その仏壇やTシャツを目の当たりにして圧倒されました。そして考えさせられました。今日の日本で、仏壇がある家はどのぐらいあるのでしょうか?
私が生まれ育った下町の商家には、神棚も仏壇も当たり前のようにありました。ご近所の友人の家にも遊びに行っても、大きさこそ違え、大抵は両方あったものです。それでいてクリスマスを祝ったりしていましたから、庶民にとって仏壇は宗教というより祖先供養という文化そのものだったのでしょう。
仏教のことはよくわからなくとも、ご先祖さまに手を合わせて感謝する場所=心のよりどころが家の中にあること。それが実は大切なことではないか感づいたのは、恥ずかしながら、つい最近のことでした。
大好きな祖父母が亡くなって手を合わせたい、幼子たちに何か大切なことを伝えたい、そんな年回りになって初めて気づいたのです。
今では、なるべく毎日仏壇の前に座ります。そして、見よう見まねで、祖父母が四国八十八ヶ所めぐりの時から愛用していた遺品の経本を開いて般若心経をあげています。
すると....何となく心が安らぎ、ほっとするのです。
だからこそ、300年を超える長きにわたって、仏壇の文化は形を変えながらも継承されてきたのでしょう。
アートマン・ジャパンは世界を目指す
日本の伝統美を世界に発信する |
しかし、アートマン・ジャパンの活動コンセプトをWEBサイトで拝見して、私はほとんど泣きそうになりました。
「(前略) 仏教が到来する前からある祖先供養という日本独特の風習。それと仏教とが融合して、合理的に仏壇という物が作られました。それが伝統的な仏壇です。
僕達は300年程前から伝わる伝統的な仏壇の形を変えるつもりはありません。逆にどんどん製造したいと思っております。
現在、仏壇の製造は主に中国にシフトしてしまっています。 国内で僕ら仏壇職人が仕事をしていくにはとても苦しい状況です。
新商品の開発が伝統の技術を残すには急務なのです。(中略)
仏壇職人が子供の憧れの職業の中に入る時代を作りたいとも思っています。 僕らの後に続く人材を掘り起こす事が伝統を守る事につながるはずです。
将来は活動の場所を海外に移して、世界にメッセージを投げかけたい。仏壇には日本を代表する工芸技術がほとんど盛り込まれています。また仏壇は日本にしか存在しておりません。
仏壇が日本のアイデンティティとなりえる可能性を秘めているはずです。
だから僕達は日本には仏壇という素晴らしい物、仏壇を祀るという素晴らしい精神文化があるんだと活動を通して世界の人に知って欲しいと思っています。
本気で仏壇を作る集団が「仏壇クリエーターズ アートマン・ジャパン」です。」
アートマン・ジャパンの祈りにも近い願いや活動は、「日本でこそ創りえるものを世界へ、未来の子供たちへ」という私のライフワークとぴったり重なっていたのです。
>>>アートマン・ジャパンの独創的なTシャツは