メカニカルなバインディングシステム
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これまでのリング式とも全く違う発想のバインディングシステム。 |
マシューさんが綴じ具として採用したのは何と時計のバンドに使われているバネ棒。これに行き着くまでには、幾つもの試行錯誤があったと言う。当初はプラスチック製のもので色々と試していた。しかし、プラスチックではどうしても耐久性に問題があり、ならばと、メタル材質を色々と検討している中で、ひらめいたのがこの時計のバネ棒だった。
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綴じ部分には腕時計のバンドの着脱に使われるバネ棒(スプリングバー)が付いている。 |
レザーカバーの内側には、バネ棒が上下に3~4本付いている。一方のノートの背にはメタル製のパイプがしっかりと固定されており、これをバネ棒にセットするという仕組みだ。
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ノートの背にしっかりと固定されたパイプ状のメタルバー。 |
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ノートの背にあるパイプをバネ棒に取り付ける。腕時計のバンドの着脱と違い、特殊な工具は要らず、簡単に取り付けられる。 |
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ひとたび取り付けてしまえば、ノートはこうして引っ張ってもびくともしない。 |
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ノートにメタルバーをしっかりと固定させるのが、このシステム中で最も難しかったという。そして、この部分は企業秘密であると言う。 |
「X47」はリングではなく、細いバーなので、ノートの厚み以上には分厚くならない。そして、この最大の利点は、ノートのどのページを開いても、綴じ具が見えないことだ。つまり、綴じ具に全く邪魔されずに心行くまで筆記できることになる。
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どのページを開いても、基本はふつうのノートと同じで、綴じ具に全く邪魔されない。また、軽さにもこだわりノートに使われている紙も軽いものを採用。 |
ところで、「X47」という商品名の意味が気になる。ここには、マシューさんの深いこだわりが隠されている。同サイズのシステム手帳よりも、筆記有効面積が、47%程アップするというところから来ているのだそうだ。
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「X47」の名前の由来は同サイズのシステム手帳よりも、筆記スペースが47%も広くなっていることによる。 |
確かにリング部分がなくなったので筆記面積が広くなったのはわかる。しかし果たしてそれだけで47%もあるだろうか。47%といえば、全体の半分近くということになる。実は、そこにはリングという存在が私たちが考えている以上に影響を与えていた。まず、リングがないことで、「X47」はカバーの上下方向ギリギリまで使えるということがある。また、システム手帳は開いた時にカバーのサイズよりも、ノートの幅がやや狭いといた印象をもったことはないだろうか。せっかくなのだからカバーぎりぎりまでノートにすればいいのにと私もかねがね感じていた。
しかしシステム手帳の構造上それができにくいのだそうだ。それはリング自体に高さがあるためだ。カバーを閉じた時に、どうしてもノートがリングに起こされたような格好になり、手前側に出てきてしまう。そのクリアランスを確保するため、あの開いた時のスペースが生まれてしまうのだ。
「X47」は、開いてもカバーの結構ギリギリまでノートの紙面が来ている。こうした部分なども加味しての合計47%ということらしい。