所かわって欧米では、全く別な仕組みの「セルフ インキング スタンプ」と呼ばれるタイプが主流を占めている。「セルフ インキング」とあるように、これはスタンプの中にインクパッドが内蔵されていると言うのが大きな特徴。このセルフ インキング スタンプという言葉には馴染みがなくとも、きっと多くの方はこのタイプを目にしていると思う。例えば、よく海外の空港に行って入国審査の際にガチャリとスタンプを捺してもらうが、つまりはあのタイプがそうだ。
欧米では主流のセルフ インキング スタンプ
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そのセルフ インキング スタンプの世界3大メーカーのひとつに、シャイニーという企業がある。
50年の歴史を誇るスタンプ専門メーカー
シャイニーという社名は
オーナーの名前からとったもの |
合理的なセルフ インキング スタンプ
セルフ インキング スタンプ。
日本語では自動回転印ともいう |
まずは、このセルフ インキング スタンプの基本的な仕組みを確認してみたい。と言っても使い方はいたって簡単。スタンプを紙の上にセットして、押し込む。たったそれだけ。
捺したい所にスタンプをセットして、
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そのままグイと押し込むだけ
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本体を裏返してみると、そこに印面の姿はない。押し込むことで中に隠れている印面がグルリと180度回転して、押し出されてくる。スタンプを捺し終わると、印面は自然に回転して元に戻る。戻った所にはうまい具合にインクパッドが待っており、普段使わない時は、印面がインクパッドに付いていてスタンバイ状態になっている。
ボディを押し込むと、
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中の印面が前に出ながら180度回転する
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このセルフ インキング スタンプのいいところは、なんと言っても片手だけでサッと捺すことができるところ。これまでのゴム印であれば、ハンコを捺すたびにスタンプ台を取り出して、ペタンとインクを付ける必要があった。また、浸透印の場合でも、スタンプ台こそ必要ないが、キャップを外す必要があった。その点、このセルフ インキング スタンプではあれば、ワンアクションで出来てしまう。きっとこの使い勝手の良さが欧米で支持されているのではないかと思われる。
また、連続でスタンプを捺す必要がある場合には特に適しており、捺すたびに内蔵のスタンプ台に戻るので、常に一定した印影を保つことができる。先ほどの空港の入国審査のように、次々にスタンプを捺すことが求められるところで、よく使われているというのも頷ける。
しかしながら、印面を回転させて飛び出させるという機構から、どうしても捺す時にある程度の力をいれる必要がある。しかし、シャイニーは、他社と比べて軽めに捺せるよう作られているそうだ。
インクはカートリッジ式になっているので、簡単に交換することができる。ちなみに、1つのカートリッジインクで捺印できる回数は、使用状況にもよるがおおよそ3,000~4,000回くらいとのこと。
一度使ってみると、その手軽さと動きの楽しさから手放せなくなってしまうかも知れない。