水性ボールペンのよさを実感できる ラミースイフト
ラミー スイフト
ボールペンというと、どうしても真っ先に浮かぶのが油性ボールペン。ことに私たち日本ではその傾向が強いようだ。水性ボールペンはインクの性質上、キャップ式が多く、サッと書くという点でちょっと敬遠される存在だったかもしれない。このラミースイフトは、水性ボールでありながらノック式を採用した実に良くできたつくりのペンなのだ。
単にノック式にしたということだけであれば、それほどまでに満足度も上がらないのだが、このスイフトにはそれだけではないこだわりがある。
それは、ノックボタンを押しこんでみるとわかる。少々固めの押し心地を感じながらぐいっとノックしてみると、当然にペン先があらわれるのだが、それだけではなく、なんとクリップがフラットな状態に沈み込むのである。そのからくりの見事なこと。
ノックボタンを押すと、、 | ペン先が出ると同時にクリップが沈み込む |
このクリップの沈み込みは単に楽しいからくりということで付いているものではない。しっかりと実用性が考えられてのことだ。そもそもクリップはシャツのポケットにさす時に使うもので、筆記するときは必要のないものだ。もっといってしまえば、筆記するときにクリップが邪魔になることさえある。そこで、このスイフトでは、書く時だけクリップを沈ませるという、とても理にかなった仕組みになっているのだ。
水性ボールペンのよさは、何といっても書き味の滑らかさにある。粘り気の少ない水性インクは、軽い筆圧でもサラサラと気持ちよく書くことができる。そんな滑らかな書き味がこのスイフトならワンノックで楽しめる。
クリップがないので、とても開放的な筆記を堪能できる | ペンの重みだけでサラサラと気持ちよく書ける |
マットな塗装が男心をくすぐる
書くたびにキャップを開け閉めする手間から開放され、そして筆記時にクリップを気にすることもなく、とても開放感に浸りながら水性ボールペンの滑らかな書き味を存分に愉しむことができる。
これまで、水性ボールペンを食わず嫌いだった人も、このスイフトを手にすれば、きっとその気持ちも変わるに違いない。少なくとも私はガラッと変わってしまった。
□ ラミースイフト ブラック 7,350円
ボールペンの書き味にこだわった
カランダッシュ エクリドール レトロ
カランダッシュ エクリドール レトロ ボールペン
お次は、スイスの老舗ペンブランド、カランダッシュの定番ボールペン エクリドール レトロだ。トレードマークの六角軸のボディに、シルバーがプレート(銀張り)された上品なモデル。一般的なシルバープレートは銀の厚みが4ミクロン程度であるのに対して、カランダッシュではそれを大きく上回る10ミクロンという厚さに仕上げられている。こうした作り込みの良さも満足度を高めてくれるひとつだが、私がもっとも惹かれたのは、ボールペンの書き味だ。
シルバー&ロジウムプレートを施したボディ | ちょうど使い込んだ鉛筆の様な程よいコンパクトさが手に馴染む |
万年筆の書き味はペン先が決めるように、ボールペンもペン先が書き味に大きく影響する。ボールペンの場合、ペン先はリフィルと一体型になっているので、その書き味はリフィルのつくりのよさにかかっていると言っていいだろう。カランダッシュは、このボールペンのリフィルを自社で生産している数少ないペンブランドの1つなのだ。
カランダッシュがこだわり抜いたリフィル「ゴリアット」 | やみつきになってしまう程の滑らかな書き味 |
自社リフィルへのこだわりの表れだろう、リフィルには「ゴリアット」という名前まで付けられている。「ゴリアット」とは巨人という意味で、たしかにとても大きなリフィルになっている。この書き味が実に滑らか。書き出しからインクのボデやかすれはほとんどみられない。
この書き味の秘密は、ボールペンの先端で回転してインクを出しているボールに隠されている。このボールには「タングステンカーバイド」というとても硬く、しかも磨耗にも強い素材が使われている。さらに、このボールにインクを送り込むパイプの内側には6本の溝が彫りこまれている。この溝があることで、インクの供給がスムーズになって、インクがボールの表面に満遍なく行き渡り、均等にインクがでてくるようになる。こうした小さな部分に到るまでのあくなきこだわりが、滑らかな書き味を生んでいるのだ。
ボール
このカランダッシュの滑らかな書き味をまだ味わったことがないという方は、このレトロでお試しになってみてはいかがだろうか。
□ カランダッシュ エクリドール レトロ ボールペン 10,500円
(同タイプの0.7mmペンシルもある 10,500円)
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