こだわったのはギミックだけでなく、書き味も
程よい重量感のあるボディ
ボディの素材はレジン製、つまり樹脂なのだが、大きなボディということと、ペン先の繰り出し機構を搭載しているためだろう、結構な重量感がある。試しに計ってみると、57gだった。モンブランのマイスターシュティック146が29gなので、万年筆にしてはかなり重いほうだ。しかしながら、重心がペン先側にあるので、筆記する時のバランスはなかなかよい。この重みを頼りにペン先を気持ちよく運ぶことができる。
ロングボディのおかげで、
先端を握っても、中ほどを握ってもしっくりとくる
先端を握っても、中ほどを握ってもしっくりとくる
全体的な印象から、どうしてもペン先が小さく見えてしまう。しかしながら、ペン先単体としては、決して小さくはなく、むしろ大きいほうだと思う。この大きなペン先は、14金になっており、書いていると、とても気持ちよくしなる。このしなりが筆記時の柔らかなタッチを生み出してくれる。
大ぶりな14金ペン先はよくしなる | ボディの重みに任せてスムーズに ペンを走らせることができる |
ギミックだけでなく、万年筆としての書き味にもしっかりとこだわって作られていることが伺える。
このダヴィンチ、カラーバリエーションはブラックとクラックアイスの2種類が用意されている。いずれにもボディには「STIPULA」とダヴィンチのサインが刻み込まれている。こうしたボディへの刻印は昔の万年筆によく見られる手法だ。ロゴを押し出したものよりも、こうしたさりげない主張のほうが、個人的にとても好感が持てる。
ボディに刻まれた刻印 | クラックアイスは1本1本全て柄が違う |
この2色のうち、私はクラックアイスがとても気に入った。まるで大理石を思わせるクラシカル柄は、ダヴィンチという名のこのペンにとても似合っている。しかも、この柄は1本1本違い、2つとして同じものが存在しない。自分だけの1本を所有しているという満足感をたっぷりと味わうことができる。
万年筆というある意味で完成の域に達しているものに対して、イタリアならではの斬新な機構とデザインを融合させ、これまでにない万年筆に仕上げたこのダヴィンチ、ペン先が繰り出される光景をじっくり目で愉しみながら、ゆったりとした気持ちで「スローライティング」を味わうことができそうだ。
スティピュラ ダヴィンチ 万年筆 78,750円
カラーバリエーション ブラック・クラックアイス
14金ペン先(F・M・B)
インク吸入方式はカートリッジ・コンバーター両用式
カラーバリエーション ブラック・クラックアイス
14金ペン先(F・M・B)
インク吸入方式はカートリッジ・コンバーター両用式
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スティピュラ オフィシャルサイト
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