80年愛され続けてきた146の魅力
トレードマークのホワイトスター。 |
146の外観は、子供の頃から、「万年筆とはこういう形」だと潜在意識に埋め込まれているイメージどおりのシンプルなフォルムをしている。しかし、そんなシンプルな中にも、80年という永い間熟成されたものにしか持ちえない説得力のようなものがある。一言で言うならば、バランスの良さということだと思う。漆黒のボディの中に程よく配置された金色装飾とのコントラストがこれまたバランスがとれている。
持ち歩きにも丁度よい“146”
マイスターシュテュックには149というハイエンドモデルがあるが、これは、ボディの軸がとても太く、机に座ってじっくり長い文章を書くという時には最適な1本。ビジネスの場で持ち歩いたり、デスクで使ったりという機動性を考えたら146がちょうど良いと思う。考え抜かれた実用性に美しさが備わった
14金のペン先
14金のペン先
自分の書き癖を覚えこんだペン先は、心地よい筆記へと誘ってくれるネジ式キャップをくるくると回すと、これぞ万年筆のペン先という大ぶりな堂々たるペン先が現われる。14金をあしらったペン先には「4810」の刻印がある。これはモンブランという名前の由来にも関係するのだが、ヨーロッパ最高峰のモンブランの標高を表したものだ。キャップの先端に冠されているホワイトスターのマークはモンブランの頂きに雪が積もったイメージをモチーフとしている。
はずしたキャップをボディの後ろにさして、いざ筆記体勢にはいると、その重量バランスのあまりのよさに驚かされる。適度なペンの重みを手の中に感じつつ、ペン先を走らせてみると、ペンの重みだけを頼りに心地よくかけてしまう。その感覚は、まるで146が意思をもった生き物のようにサラサラと紙の上を動いていくようだ。万年筆と言えばモンブランの146というくらい確固たるブランドイメージが出来上がっているが、書く道具として、実に細かな点まで配慮されているのを感じざるを得ない。80年という永きにわたって愛され続けてきた理由が少しだけ分かった気がした。
正直なところ、使い始めのころは何て書きづらいのだろうと思った。今思えば、このときは車で言うところの慣らし運転のようなものだったのだろう。数ヶ月間、辛抱強く書き続けていると、次第に滑らかな書き味へと変わっていった。今となっては、私の書き癖を十分に熟知してくれた1本となっている。
いい万年筆を年齢を重ねてから手に入れるということが一般的には多いように思うが、若いうちに投資をすれば、その実りをたっぷりと味わうことができる。モンブラン マイスターシュテュック146は、そうした時の選択肢の重要な1本となるだろう。
はずしたキャップをボディの後ろにさして、いざ筆記体勢にはいると、その重量バランスのあまりのよさに驚かされる。適度なペンの重みを手の中に感じつつ、ペン先を走らせてみると、ペンの重みだけを頼りに心地よくかけてしまう。その感覚は、まるで146が意思をもった生き物のようにサラサラと紙の上を動いていくようだ。万年筆と言えばモンブランの146というくらい確固たるブランドイメージが出来上がっているが、書く道具として、実に細かな点まで配慮されているのを感じざるを得ない。80年という永きにわたって愛され続けてきた理由が少しだけ分かった気がした。
いい万年筆を若いうちから所有する
私は、社会人になって2~3年くらいのころに、このマイスターシュテュック146万年筆を手に入れた。5万円を超える万年筆を20歳代の若造が持つのだから、一見、分不相応のように見える。しかし私自身確固たる決意のもと146のオーナーになる道を選んだ。それは、どういうことかというと、万年筆というものは、書き込んでいくほどにその人の書き癖をペン先が覚えこみ、その人だけに書きやすい忠実なペンとなっていく。ならば、その喜びを永く味わうためにも、少しでも早くいい万年筆を所有しようと思ったからだ。正直なところ、使い始めのころは何て書きづらいのだろうと思った。今思えば、このときは車で言うところの慣らし運転のようなものだったのだろう。数ヶ月間、辛抱強く書き続けていると、次第に滑らかな書き味へと変わっていった。今となっては、私の書き癖を十分に熟知してくれた1本となっている。
いい万年筆を年齢を重ねてから手に入れるということが一般的には多いように思うが、若いうちに投資をすれば、その実りをたっぷりと味わうことができる。モンブラン マイスターシュテュック146は、そうした時の選択肢の重要な1本となるだろう。
■ モンブラン マイスターシュテュック 146
*写真の146は私が10年間使い込んだものです。
*現行品はマイスターシュテュック ル・グラン146 59,000円
*写真の146は私が10年間使い込んだものです。
*現行品はマイスターシュテュック ル・グラン146 59,000円
<万年筆関連のリンク>
■ ガイド記事 「片手で万年筆を操る楽しさ」
■ ガイド記事 「分解心をくすぐる万年筆」
■ ガイド記事 「万年筆の簡単メンテナンス」
■ おススメリンク集 「万年筆を所有する幸せ」
■ おススメリンク集 「初めての万年筆」