■ ヴァルドマン エポック1958
1本で2色のボールペンが使える多色ボールペン。2本のペンを持たなくても済む利便性のため、今やボールペンの定番として君臨している。
その元祖は、どこのメーカーか?と聞かれると、おそらく多くの人は答えられないだろう。かく言う私もそうだった。
ドイツの老舗ペンメーカー、ヴァルドマンが今から50年も前に作り出したエポック1958こそ、世界で初めての2色ボールペンなのだ。不思議なことに、このエポック1958をはじめとするヴァルドマンの数々のペンは、これまで日本では販売されたことがなかったという。
今や、当たり前になっている2色ボールペンの元祖が50年という時を経て、日本にやって来た。その魅力に迫ってみたい。
スターリングシルバーの風合いが持つ喜びを感じさせてくれる
スターリングシルバーをまとった2色ボールペン
エポック1958のボディには、純銀含有率92.5%のスターリングシルバーがふんだんに使われている。スターリングシルバーで身を包んだボディには、とてもとても細かい彫金が施されているのに気づく。
ヴァルドマンはドイツの黒い森と呼ばれるシュヴァルツヴァルド地方で1918年に創業し、今なお、その地でペン作りを行っている。そこは、ドイツでも屈指の貴金属作りが盛んな地方であり、当時から彫金に長けたクラフトマンが多くいた。エポックにもその技が惜しみなく注ぎ込まれている。
スターリングシルバーに施された見事なまでの彫金
細やかな彫金は、見る角度により多彩な輝きを見せてくれる。その輝きは、エポック1958を所有しているオーナーだけに許された特権と言えるだろう。そのスターリングシルバーと彫金を指先に感じつつ、握ってみると見た目の印象よりも軽い。おそらく、これはボディに真鍮などを使わずにスターリングシルバーだけで作られているためだろう。
世界特許を取得した2色ボールペン
彫金は、目の保養だけでなく、握った時の程よいグリップにも貢献してくれている。ペンの肝心の部分であるボールペンの書き味は、あらかじめ入っている中字のMサイズが、まるで万年筆のようにヌラヌラという滑らかさがある。それぞれのペン先には、どちらの色のペンが一目瞭然となるよう黒・赤のマークがある。
短めのクリップはシャツのポケットにぴたりと収まるクリップに目を移すと、明らかにふつうのペンよりも小さい。しかもそのクリップがリベット打ちされている。50年前のボールペンという、時代の流れを感じさせてくれる形状だ。
こんなに小さなクリップで大丈夫だろうかと、不安がよぎった。シャツのポケットに実際にさしてみると、程よい強度があり、とても安心感のあるはさみ心地だった。クリップのついている位置が、ペンのトップ部分よりも、ちょっとだけ下側になっている。これが、とても的を得たものになっていた。それは、シャツにさした時にポケットの底にぴたりと届く絶妙な位置にくるよう設計されていたのだ。50年前からポケットの深さは変わっていないということなのだろうか。細かいところだが、実によく考えられている。
こんなに小さなクリップで大丈夫だろうかと、不安がよぎった。シャツのポケットに実際にさしてみると、程よい強度があり、とても安心感のあるはさみ心地だった。クリップのついている位置が、ペンのトップ部分よりも、ちょっとだけ下側になっている。これが、とても的を得たものになっていた。それは、シャツにさした時にポケットの底にぴたりと届く絶妙な位置にくるよう設計されていたのだ。50年前からポケットの深さは変わっていないということなのだろうか。細かいところだが、実によく考えられている。
知られざるペンブランド、ヴァルドマン
1918年、ドイツで生まれたヴァルドマン。同社は今回のツイスト式2色ボールペンの世界特許以外にも、1939年には、ツイスト式多色鉛筆で、1972年には、片側が万年筆、もう片側がボールペン構造の「Two in One」でも世界特許を取得していたのだった。ドイツならではのクラフトマンシップ、たゆまぬ開発力、スターリングシルバーの美しさを併せ持ったブランドなのである。■ ヴァルドマン エポック1958 18,900円
黒・赤の2色ボールペン(スタイラスリフィル付き)
黒・赤の2色ボールペン(スタイラスリフィル付き)
今や、誰もが持っている2色ボールペン。人とはちょっと違った2色ボールペンで周りとは差別化したいという人には、格好の1本となるだろう。
何といっても、元祖なのだから。
<関連リンク>
■ ヴァルドマン エポック1958は、スタイルストアで手に入ります。
■ ヴァルドマン オフィシャルサイト
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■ ガイド記事 スタイルのよい多機能ペン「ロットリング エクステンション 4in1」