小さい頃、家にある置時計やおもちゃなど機械系のものをみると、中はどうなっているのだろうと手当たりしだい分解していた。
当然もとに戻せるわけもなく、親に怒られるという繰り返し。こうした経験は私だけではないはず。そんないたずら心を大人になった今でもひそかに持ち続けている方のために、もってこいの万年筆がある。
それがラミーサファリのスケルトンです。
このペン、あらかじめスケルトンになっているので分解しないでも中の様子が見えるのがうれしい。
モンブラン、ペリカンと何が違うのか
サファリのデザインの大きな特徴にもなっているワイヤー式クリップ。強度もしっかりしている。 |
モンブランやペリカンが高級志向を中心にしているのに対して、ラミーはデザインと新しい技術という点に力を注いできた。デザイン面で言えば、筆記具メーカーとしては早い時期から外部の著名デザイナーを起用して共同開発を行ってきた。イタリアの建築家であるマリオ・ベリーニ氏を起用して作ったペルソナは特に有名だ。
また、技術面では世界で初めてセラミックを万年筆の胴軸に採用するなど常に新しい試みも行っている。ドイツの伝統である厳格なもの作りに現代感覚あふれるデザインや技術を融合させ、常に革新的な筆記具を世に送り出している。
ラミーのすごさは、そうして創られてきた数々のペンがいっときの流行に左右されることなく、いずれも息の長いものとなっていることである。例えば1966年に誕生した「ラミー2000」は、その当時2000年という未来のペンをイメージして作られたものだ。すでに40年以上経った今見てもまったく古さを感じることはない。
このラミーサファリは1980年の発売なので、こちらも30年以上ものロングセラーモデルである。
小さな万年筆の世界をうかがい知る
ひだひだになっているペン芯が一生懸命インクを送り続けている様子が堪能できる。 |
ラミーの新モデルのボディには1点の曇りのない、とってもクリアな透明プラスチックが採用されている。そのスケルトンを通して、小さな万年筆の世界がうかがい知ることができる。
インクの充てん方式はカートリッジ式となっている。私はブルーのインクを入れているが、スケルトン越しにそのカラーが確認できるのも愉しい。インクはレッド、ブルーブラックなども用意されてるので見た目の変化を愉しむことだってできてしまう。
ペンの本分は文字を書くこと。スケルトン越しに見える万年筆の神秘的な世界に気をとられて書くことを忘れて見入ってしまう。なんてことがないように気をつけたいものだ。
でも、一息入れるにはちょうど良いかもしれない。
■ ラミー サファリ スケルトン 万年筆 4,000円+Tax |
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□ ラミー サファリ 公式ページ