欲しいモノ、貰いたいモノ、あげたいモノ

前回の記事(奥さんから貰うと嬉しいプレゼントを考える)で、男性側の貰いたいプレゼントとはどんなものかを考えてみました。実際、相手が喜ぶプレゼントというのは難しいものです。それは、欲しいモノ、貰いたいモノ、あげたいモノが、それぞれ微妙に違っているからです。

例えば、日常使う筆記具は、欲しいけど自分で買わないと細かい部分で満足出来ないモノですし、本やCDなどは、あげたい気持ちが強くなりがちで、実際にもらってもピンと来ないケースが多いものです。では、貰いたいモノとは何でしょう。今回は、男性目線から、貰うと嬉しいモノとはどんなものかを、具体的な商品を挙げながら考えてみようと思います。
 

遊び心といぶし銀の魅力:五十音のボールペンカバー「ポワゼ」

五十音「ポワゼ」

五十音「ポワゼ」


この銀のスティックは、BICのラウンドスティックというボールペン専用のカバーです。とても優秀なボールペンだとはいえ、オフィスデポで買うと一本あたり40円以下のラウンドスティックを、純銀のケースが包みます。

ずっしりと手に重みが感じられるのですが、書くと、何とも手に馴染みます。手で一つ一つ叩いて作られている銀の筒は、お茶道具を作る方の手によるものです。だから、磨いたりせず、黒ずんでいく姿を楽しみながら使います。いぶし銀と言いますが、正にそのいぶし銀の軸になっていくのです。

あえて磨かず、黒くなるのを味わう

あえて磨かず、黒くなるのを味わう


面白い事に、この「ポワゼ」を色んな人に見せると、男性のほとんどは、「欲しい」と言います。「カッコいい」とも言います。女性の多くは、「だから?」と言います。「分からない」とも言います。それは、もしかしたら銀が光っていないからかも知れません。輝きが無い銀に対して、3万円は高すぎるのかも知れません。

でも、この黒ずんだ鈍い光は、何故か男性を引きつけます。まっすぐでない、ちょっとだけ凸凹したそのフォルムに惹かれます。「道具」であり「アート」である、それこそ茶道具の名品のような、そんな魅力に弱い男性は意外に多いのです。

一方で、その「道具」であるからこそ、価格が信じられず、「アート」であるには輝きが鈍い故に魅力が感じられないというのは女性に多いようです(もちろん例外はいくらでもいますが)。

五十音「筆箱」に色々詰め込んで

五十音「筆箱」に色々詰め込んで


銀座の小さな文具屋「五十音」さんには、ポワゼの他に、ちょっと変わったPVC(ポリ塩化ビニル)作家の方の手による筆箱もあります。これが、「ポワゼ」を収納するのに最適な箱であり、細かく分けられた仕切り箱が、男心をくすぐる名作です。半透明で不思議な味わいがあるボディの質感は、まるで石を切り出したようにも思えます。

これもまた、「道具」であることが、そのまま「アート」にもなった、そんな箱で、だからなのか、女性にあまり人気がありません。ただ、男性の「もらったら嬉しいモノ」というのは、こういう、ちょっと買いにくい価格だけど、とても心そそるモノなのだと思うのです。

筆記具ならデザインを揃えたセットにして:ラミー「サファリ」とSIWA・紙和「眼鏡ケース」のセット

アシストオン 「SIWA ++ LAMY Safari スペシャル・ギフトセット」

アシストオン 「SIWA ++ LAMY Safari スペシャル・ギフトセット」


筆記具をプレゼントしたいなら、男が意外に見落としがちな方向から攻めるのも手です。例えば、万年筆、ボールペン、シャープペンシルをデザインを揃えたセットにして渡すとか。これは、ガイド納富がよく行くアシストオンさんで作られていたセット。

クリスマスに合わせて、ラミー「サファリ」の万年筆、ボールペン、シャープペンの赤をセットにして、同じく紙和の眼鏡ケースの赤に入れ、それにシャープペンの芯と万年筆の替えインクまで付けたもの。芯やインクもちゃんとケースに収まるのがポイントです。

三本のサファリ(万年筆、ボールペン、シャープペン)が入った紙和のケース

三本のサファリ(万年筆、ボールペン、シャープペン)が入った紙和のケース


元々、ラミーの「サファリ」は赤がカッコいいので、クリスマスが過ぎて使っても大丈夫ですし、紙和の眼鏡ケースは、ペンケースや携帯電話ケースとしても使える優れ物。それぞれが単体でもプレゼント出来るものがセットになっているという嬉しさもあります。

また、意外に筆記具にこだわる人ほど、一本づつ購入するせいか、同じ色の揃いは持っていなかったりします。また、本来セットでは売っていないものをセットで貰うと、手間をかけてもらった気がして、とても嬉しいものです。

こういうセットは、プレゼントのアイディアとして結構使えると思います。このサファリのセットにしても、赤ではなく、あげたい相手の好きな色に変えたり、紙和の眼鏡ケースの色を他のものにしたり。さらには、サファリではなく、同じくラミーの「noto」の色違いセットとか、ペンケースを革のケースにしてみるとか、アイディアや贈る相手次第で様々なバリエーションを考えることが出来ます。

この「考えた跡」が伝わるプレゼントは、もらうととても嬉しいモノです。基本的には定番を選びつつのプラスアルファとして、こういうセットモノはとても効果的だと思うのです。

欲しい筆記具は相棒としてのキーボード:PFU「Happy Hacking Keybord Professional JP」

PFU「Happy Hacking Keybord Professional JP」

PFU「Happy Hacking Keybord Professional JP」


万年筆などの筆記具は、あまりにも個人によって好みの差が激しい上に、書き心地にも好みがあるのでプレゼントにはあまり向かないように思います。それならいっそ、ちゃんとした入力しやすいキーボードというのはいかがでしょう。

モノを書くという作業では筆記具よりも遥かに使われている道具。パソコンに付属するものや、普通に売っているものは、筆記具で言えば100円ボールペンのようなもの。世の中には、手に馴染む筆記具のような、使うだけで入力速度が上がり、ミスタッチが減るようなキーボードもあるのです。

A4サイズの雑誌と比べても、その無駄の無いコンパクトさが分かる

A4サイズの雑誌と比べても、その無駄の無いコンパクトさが分かる


PFUの「Happy Hacking Keybord Professional JP」は、そんな優秀なキーボードの一つです。特に、静電容量無接点方式によるキータッチの良さや耐久性、信頼性の高さは、一度使うと他のキーボードのキータッチに耐えられなくなるほどのもの。無接点方式のキーボードの魅力については、こちらの記事(50万円のキーボードは進化した筆記具の形)に詳細に書いています。

また、コンパクトで場所を取らず、キー配列などもカスタマイズ出来る、こだわりのキーボードである事も男心をくすぐります。何せ、黒のバージョンなど、黒地に黒の印字というこだわり。

ガイド納富も、普段の原稿はずっと、この「Happy Hacking Keybord」で書いているのですが、そのタッチの心地よさと誤入力の少なさのおかげで順調に仕事ができていると思っています。以前は、英語配列版を使っていたのですが、カーソルキーのついた日本語配列版に変えた所、さらに効率良く入力出来るようになりました。

バード電子「キーボードトランク」

バード電子「キーボードトランク」


お気に入りのキーボードは、お気に入りの筆記具のように持ち歩きたいもの。そんなユーザーの気持ちを汲んでバード電子が作ったのが「キーボードトランク」。かつてのフェンダーのギターケースをイメージしたデザインが嬉しい「Happy Hacking Keybord」専用のキャリングケースです。「Happy Hacking Keybord」のコンパクトな外観を活かしたケースでケーブルも収納出来ます。

USBケーブル一本でマックにもウィンドウズにもユニックスにも繋がるので、あらゆるコンピュータで、いつも通りの快適入力が行えるわけです。キーボードは、安いものはとことん安いし、基本的に持っているものなので、中々購入に踏み切れないものです。特に、「Happy Hacking Keybord」のような、通常のキーボードの8倍近い価格のものは、欲しいと思っても買う度胸が中々つかないものです。

プレゼントは、そういう心理を突くのが最も喜ばれるポイント。専用のギターケース風トランクに入れれば、さらに男の子好みのプレゼントになると思うのです。高級万年筆に比べたら、かなり安価だけど、キーボードとしてはかなり高価というのも、あげる側貰う側双方にメリットがありますし。

身近なもの生活用品ならマクラが狙い目:キタムラのまくら「ジムナスト・チャコ」

キタムラ「ジムナスト・チャコ」

キタムラ「ジムナスト・チャコ」


身近な生活用品を女性は選びがちですが、男性にはあまりウケない事が多いものです。衣服や食器は、別に嬉しくない訳ではないのですが、どこか押し付けられている感じがするものですし(本やCDにも言える事ですね)、むしろ使えと強要されているようにも感じてしまいます。「俺の好みじゃダメだっていうの?」みたいな感じですね。

それでも、そういう生活用品から選びたいのなら、いっそマクラはいかがでしょう。毎日、それこそ睡眠を支えてくれるグッズなのだし、うまく気に入ってもらえれば、とても喜んでもらえるものでもあります。

中央部のくぼみが優しく後頭部にフィットする

中央部のくぼみが優しく後頭部にフィットする


そんなギフトにちょうど良いのが、キタムラの「ジムナスト・チャコ」という、寝返りしてもズレない枕。この枕、そのデザインもスタイリッシュでプレゼントに向いた感じなのですが、実際に使って見ると、ちょっと感動的な寝心地の良さです。伊達に1万円以上もするわけではないというところでしょうか。

この価格もとてもプレゼント向きだと思うのです。テンピュールや低反発といった、素材重視の枕から、もう一段落先を行ったような、そんな枕だと思いました。パッケージもスタイリッシュで、そういう意味でも世界初のプレゼントに向く枕と言えそうです。

横向きで寝るのが心地よいサイドの盛り上がり

横向きで寝るのが心地よいサイドの盛り上がり


まず面白いのは、その形状。弧を描く外観は、寝返りを打つ時の頭の動きをカバーするためだそうです。寝返りは弧を描くので、それに沿ったカーブになっている訳です。また、中央は低めに、左右は高めにと高低差があるのですが、これは、仰向けなら中央部に頭を置くと安定し、横向きに寝る時は肩の高さ分、高い方が安定するという仕掛け。

実際に使うと、見事に首が疲れないのです。中には備長炭が入っていて、頭部の匂いを抑えます。匂いが抑えられれば、睡眠に集中出来るので正に一石二鳥です。丸洗いも出来るし、中のモノが自由に取り出せるので高さの調整も可能。見た事ないようなデザインなので、むしろデザイン的には万人向け。

枕なら押しつけがましさもないでしょう。いや、ほんと首の疲れがとても減るし、快適な枕なのです。

ガイド納富が今一番欲しい麻袋のような鞄:NAVA「N_tote」

NAVA「N-toto」

NAVA「N-toto」


鞄も個人による好みの差が激しくて、本来ならプレゼントにはあまり向かないアイテムの一つです。しかし、時々プレゼント向きの鞄というのも存在します。NAVAの新作「N_tote」は、そんなプレゼント向きの鞄の一つです。その根拠の一つは、とてもフラットでシンプルなデザインだという事です。

一見、単なる麻袋のように見えてしまうそのルックスは、様々なファッションの方に、様々な形で似合うと思われるからです。その汎用的なムードが、この鞄をデザインした深澤直人氏らしいところでもあります。

取手を収納すればショルダーバッグに入れる

取手を収納すればショルダーバッグに入れる


またこの鞄、麻袋に手提げが付いただけのようですが、その麻袋のように見える素材も、このデザインのために作られたもの。縦糸と横糸に違う繊維を使って織ったのだそうです。その触り心地の良さと、本物の麻袋のように、しゃっきりしつつ柔らかい風合は、鞄は、元々袋だったということを思いださせてくれます。

取手を畳んで中に折り込むと、ショルダーバッグに早変わりするのですが、その曲げた把手部分の折り返し皴がいつのまにかなくなってしまうというのも素材の力の一つです。シンプルという一言では片づけられない、使って始めて本来のスタイルが現れてくる、そんなデザインだから、持つ人それぞれに似合います。

上部を折り曲げてポーチのようにも使える

上部を折り曲げてポーチのようにも使える


さらに、ショルダーストラップをバッグの中央部に隠れているD管に繋いで、蓋を更に折り返せば、まるでショルダーポーチのようなコンパクトな鞄に早変わり。この3つのパターンに変化するギミックも、使う人を選ばないプレゼント向きの機能だと思うのです。

鞄自体は、とても薄マチのタイプですが、ぽんぽんとモノを放り込んでおける気楽なスタイルでA4の雑誌やアナログ盤も入るサイズ。鞄としてとても使いやすく、使う人によって形だけでなく様々に用途も変わる鞄です。価格も手頃だし、喜ばれるプレゼントになるでしょう(単にガイド納富が欲しがってるというだけの事かも知れませんが)。

貰った相手の事を思い出すような日常品:珈琲の富田屋「ドリップパックコーヒー(ブルーマウンテンNo.1)ギフトセット」

珈琲の富田屋 「ドリップパックコーヒー(ブルーマウンテンNo.1)ギフトセット」

珈琲の富田屋 「ドリップパックコーヒー(ブルーマウンテンNo.1)ギフトセット」


ワインを貰うのは嬉しいのですが、どこかで「飲んでみないと分からないしなー」と思ってしまいます。それはワイン好きであるほどそうですし、逆にワインにあまり興味が無い人には、ただのお酒に過ぎません。それでは逆にあげ甲斐もありません。でも、意外にコーヒーなら、比較的ストライクゾーンが広いというか、毎日コーヒーは欠かさないという人でも、標準以上に美味しいコーヒーであれば、かなり満足して貰えたりします。

簡易式ながらゆっくりとドリップされるため、十分なコクが感じられる

簡易式ながらゆっくりとドリップされるため、十分なコクが感じられる


ただ、コーヒーは結構淹れるのが面倒な飲み物なので、どんなに美味しくても、豆を貰うと、ちょっと面倒だなと思ってしまう事があります。かといって、インスタントはプレゼントしにくいですし、缶コーヒーというのも、あまりにも即物的です。
その点、珈琲の富田屋の「ドリップパックコーヒー」は、ちゃんとした美味しいコーヒーが、手軽に飲める仕組みと一緒に売られています。

しかもこのコーヒー、大阪で夫婦二人で自家焙煎のコーヒー豆を販売しているこだわりの店です。豆から基準外のものを手で一つ一つ取り除いた上で焙煎するという、その丁寧な仕事が、スッキリとしたクリアな味わいに繋がっている、そんな店のコーヒーが、手間なしで飲めるのです。

お湯を注ぐだけでOKのドリップパック形式は、大手のメーカー品には多いのですが、こだわりの店のコーヒーが簡単に飲めるのは珍しいモノです。だから日常的に飲みます。

そして、飲んで「美味いなあ」と思うたびに、このコーヒーをくれた誰かを思い出す事になります。そういうプレゼントは、貰って良かったと素直に思えるような気がします。毎日飲める美味しいもの、というのは、これがありそうで中々ない。とても高価だと、今度は貰ったはいいけど、飲み終わったら次は買えないということになり、それも寂しいものです。

その点、このコーヒーなら14杯分で約2000円。カタログには1個のパックで135ccのコーヒーが出来ると書かれていますが、ガイド納富が試したところ、二杯分、270cc作っても十分美味しく飲めました。

ガイド納富の「こだわりチェック」

いつも書く事ですが、基本は、好きな女性から貰えるものなら何だって嬉しいのです。よく女性が男性からのプレゼントに対して「嬉しいけど、分かってないなあと思う」と言いますが、まあ男性も、そういう事は思う訳です(薮蛇になって、せっかくもらったプレゼントを取り上げられたりするとイヤなので、口には出さないのですが)。

それだけに、ピンポイントで、思ってもみなかった、自分も知らなかった自分の趣味にぴったりの何かを貰えると、それはそれは嬉しいモノです。

例えば、今回紹介した、PFUの「Happy Hacking Keybord Professional JP」なんかは、仕事で膨大な量のタイピングをする人には、もう当たり前のように有名で、欲しいけど高いなあとか、そういう感じのモノなので、それだけでプレゼントには十分かも知れません。

でも、プライベートでも使うとはいえ、基本は仕事道具ですから、女性から貰うのには何となく色気というか、潤いが足らないような気もします。そこに、バード電子の専用キーボードトランクを加える事で、楽しくて嬉しいプレゼントに変化する訳です。

そういう、あと一段階奥を考えるというのが、異性に対するプレゼントの基本なのではないかと、そんな事を考えながら、今回のプレゼントを選んでみました。

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