ポケットに入れる財布の理想の形
rethink「Lim Wallet」
各色とも18,375円(税込) |
財布はポケットに入れて使えれば、一番便利なのですが、二つ折りの財布は折り曲げて使う構造上、意外に嵩張るため、ポケットが膨らんでしまいます。しかも、お金やカードは結構重いので、パンツがずり落ちたりして、あまりカッコよくありません。
かといって、ナイロンの財布では使っている内に汚れてしまうし、軽いけれど嵩張ることには変わりありません。そこで、ミニマムなcyproductの「ヌメ革カード&コインパース」のような財布が重宝するのだけれど、何処へ行くにもミニマムでというわけにはいきません。やはり、日常的に使うためには、カードも7枚くらいは入れたいし、お札も10枚程度は入れておきたいのです。
そんな、日常の最小限より少し余裕がある程度の収納量で、大きさも厚さも、通常の小銭入れが無いタイプの二つ折り財布より小さく、しかも重さは何と50g。ポケットに入れて服が型崩れせず、出し入れも簡単で、小銭入れも付いて使いやすい、rethinkの「Lim Wallet」を使っていて思うのは、何て、ポケットに入れるのが似合う財布なんだろうということ。
お金やカードを入れても薄くて軽いを実現する技術
一方向から札、カード、コインを出し入れできる
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「Lim Wallet」には、上の写真のように、札を一番下に、その上にカードを、その上に小銭を、というスタイルで収納します。二つ折り財布は、通常札入れとカード入れと小銭入れが、それぞれ革で仕切られた上で二つに折られるため、どうしても厚くなってしまうのを避けられません。しかし「Lim Wallet」のような入れ方をすれば、二つに折っても革同士が重なる部分が最小限に抑えられます。しかも、その革は、肌理が細かくて張りのあるヌメ革を薄く漉き(約0.5mm)、その表裏を貼り合わせた「ベタ貼り」技法で仕立てられています。そのため、丈夫で張りがあり、出触りも良く、使っていれば育つ上質の革でありながら、ここまでの薄さ軽さを実現出来るわけです。
従来の財布とは全く違う収納システム
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全体を広げてみると、上の写真のようになります。フリップ部分の折り返しが札を押えてくれるので、財布を開いても札が邪魔になることもありません。カードもただ重ねて入れるだけですが、7枚程度なら見通しも良く、押さえつけていないので、必要なカードを素早く取りだせます。フリップを、小銭入れ下部にあるスリットに差込んで財布を閉じる形状で、金属部品を一切使っていないのも「Lim Wallet」の特徴です。それが、革を傷めず、軽量化にも貢献しています。ガイド納富が使っているモノは、使い込む内に、フリップを差込まなくても、財布が勝手に二つに折れてくれるようになり、さらに使いやすくなっています。
小銭入れにも丁寧で細かい配慮が生きている
コインは内部のフリップを開けて出し入れ
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小銭は、写真のように内部のフリップを開けて、口の左右を軽く押すことで、スムーズに出し入れ出来ます。フリップを大きくとっているので、ここに小銭を滑らせれば、必要な金額を素早く揃えることが出来ます。この小銭入れ部分がまた使いやすいのです。小銭を滑らせても落ちない程度に革の裏側のシボ(革の表面の凹凸)が滑り止めになっていますし、口の左右を押えれば大きく口が開くので、見通しも出し入れも本当にスムーズ。強いて言えば、小銭入れの右奥に入ったコインが、ちょっと出しにくい事があるのが玉に瑕でしょうか。
大きなフリップにコインを受けると使いやすい
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使って見ると、すぐに解るのですが、小銭入れのフリップを開くと、上の写真のように、小銭入れのフリップが札押えの部分を押えるようになっています。そのおかげで、小銭を出し入れする時に札が捲れて邪魔になったりしないわけです。ちょっとした事ですが、こういう細かい部分の積み重ねが、使いやすい財布を作るのだと思います。
丁寧な縫製とコバの処理の見事さが良い革財布の証拠
背面にはレシートなどが入れられるポケットがある
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裏側には、レシートなどを入れておけるポケットも付いています。ここはレシート入れに使って、スイカなどのICカードは、小銭入れの裏側、つまり札入れの最奥部に入れて使う方が、使い勝手が良いようです。丁寧なステッチがデザイン上のアクセントにもなっています。
薄さとコバの仕上げの美しさを見てほしい
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また、「Lim Wallet」を横から見ると、サンドペーパーで磨き上げられた見事なコバの処理を見ることが出来ます。コバ(革の側面部分)がキレイに処理されていると、革製品の風合いはワンランクアップするような気がするのです。また縫い合わせてある部分も、コバを磨くことで一体に見えて、デザイン的にもスッキリします。この徹底した丁寧な仕事こそ、rethink製品の大きな特徴だと思います。
ガイド納富の「こだわりチェック」
たった三つの革パーツを折り曲げ、縫い合わせて作る「Lim Wallet」は、まるで精密な折り紙のような財布です。使いやすい財布を目指して、財布の構造をゼロから考えだしたという点では、m+の構造的財布「MILLEFOGLIE」に通じるものがあります。奇しくも、どちらも一方向から全てを出し入れする構造になっていますし(ということは、この構造は財布としてとても正しいのかもしれません)。
収納力なら「MILLEFOGLIE」、スマートさと軽さなら「Lim Wallet」というところでしょうか。デザイン的には方向が全く違うので、好みの方を使うという判断は簡単に出来そうです。実際、「Lim Wallet」を使っていて、つくづく思うのは、その軽さとお金を入れていても厚くならない構造のスマートさです。確かに、大金は入りません。カード類も精々8枚くらいが限度です。小銭も15枚程度でしょう。お札も12枚が限界です。でも、普通、そのくらいあれば日常生活には十分ですし、色んなものを財布に入れっ放しにしてた、といった事を防ぐことも出来ます。
その、自分に必要なものだけを、その代わり本当に必要なものは全て持ち歩ける財布、という、何ともギリギリの、生活ジャストサイズとも言えるサイズバランスが、また驚異的だなあと、いつもながらrethinkの製品を使っていると、ほとほと感心するのです。使い始めは、その構造上、まるで折り紙細工のように見えたのですが、今では角が取れ、端が丸みを帯びて、全体に一体感が出てきました。風格さえ漂う革の財布です。しかも、とびきり使いやすいのですから言うことはありません。
<関連リンク>
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