スーツ・ジャケット/スーツ・ドレスビジネス

正統派スーツを提供する、ディトーズ開店(2ページ目)

仕立て職人として活躍してきた水落卓宏さんが独立して、自らのお店「Bespoke Tailor Dittos.」(ビスポーク テーラー ディトーズ)をオープンさせた。クラシックなブリティッシュスタイルならここでしょう。

倉野 路凡

執筆者:倉野 路凡

メンズファッションガイド

英国正統派の流れを汲むBESPOKE ORDER


Bespoke Tailor Dittos.
このビスポークスーツは水落さんの私物。スリーピースもいいがダブルブレストのスーツもクラシックでいいものですね。

Dittosでは、HOUSE STYLE ORDER(パターンオーダー)とBESPOKE ORDER(フルオーダー)の2つのオーダーメイドを展開している。まずは水落さんのテーラー&カッターとしての実力を100%発揮できるBESPOKE ORDERを紹介したいと思う。

何度も彼を取材してわかったことは人一倍スーツ作りに関して研究熱心ということ。もちろん出来芯などは使わず、個別に芯地を作っているし、全工程において妥協することがないのだ。

Bespoke Tailor Dittos.
BESPOKE ORDERは画一的な出来芯ではなく、お客さんのスーツに合わせて手で作り上げていく。なので一概に毛芯だからいいとか、ベルテロ社のものだからいいとか、そういう単純な話ではない。いい材料のものをどう料理するかがテーラーのセンスであり実力なんだと思っている。

BESPOKE ORDERはお客さんの好みがあればそれを反映してくれるはずだが、もし私がオーダーするなら完全にお任せにすると思う。彼がもっとも得意としているクラシックなブリティッシュ調のスリーピーススーツで作ってもらう。

ここで言うクラシックとは1930年代~’40年代のスーツスタイルのことで、男性的な魅力を反映させたグラマラスなシルエットのものが多い。まあ、そのサジ加減は体型や注文主の好み、働いている環境や社会的な立場などで調整してくれるはずだ。

Bespoke Tailor Dittos.
ハリソンズ オブ エジンバラなどの英国服地を中心に揃えているが、ナポリのカチョッポリも取り扱っている。

人一倍研究熱心と言ったのはなにも縫製技術だけに限ってのことではない。昔のサヴィルロウの老舗テーラーの型紙を研究したり、古い日本の型紙や縫製書などの文献を参考にしたり長年勉強してきた。その長所も短所もわかっているので、すべてにおいて安心感が高い。

そしてクラシックなブリティッシュスタイルに造詣が深いので、ブリティッシュ調のスーツを作るときには話が円滑に進む。たとえば、このツイードのジャケットにはこの素材のトラウザーズが似合うとか、ウエストコート(ヴェスト)は襟付きにすべきかどうかなど、的を射た助言をしてくれる。

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