ベルトがカーブしているのが一番のこだわり
ベルト部分が弓なりになっているのがわかるでしょう。直線のものに比べて腰へのホールド感が優れている。 |
尾作さんが作るパンツで一番特徴的な箇所は、カーブを描いたベルト部分だ。ベルト芯(腰芯)も生地も最初から曲がっているわけではなく、アイロンなどを使って作り込んでいく。
このベルトが曲線をもつことで腰へのホールド感が向上し、ずり落ちてくることも少ないそうだ。
ロール巻きになっているのがナポリから仕入れたベルト芯。 |
ちなみにベルト芯(腰芯)はナポリの付属屋から仕入れている。この芯地は適度に動くので形を作りやすいとのこと。ロール巻きになって隅っこに置いてありました。素材は麻なのかコットンなのか不明・・・。
工房には直線縫いのミシンと、いちおうロックミシンがある。外脇、内股、ベルト付け、ポケット作りはミシンを使うが、他は手で縫っている。
尻入れはミシンではなく手で返し縫いを行う。耐久性と穿き心地を両立させるのは難しいはず。 |
たとえば尻入れ(お尻の割れ目ね)は手で縫っていて、糸を2本にして返し縫いをしている。椅子に座ったり、しゃがんだときに負担がかかるところなので、ミシンで縫うより手で縫った方が適している。
ただし縫う間隔が開きすぎると生地に負担がかかってしまうので難しいところなのだ。また、生地の縫い代もロックミシンではなく手でからげ縫いをしている。とうぜんボタン付けや穴かがりも手で行っている。
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