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シェットランドフォックス黄金期を振り返る(4ページ目)

日本の既製靴の歴史のなかで、エポックメイキングなブランドが日本製靴が手掛けていたシェットランドフォックスです。その黄金期ともいえる1980年代のモデルを振り返ってみました。

倉野 路凡

執筆者:倉野 路凡

メンズファッションガイド

1980年代半ばの旧シェットランドフォックスがコレ!


SHETLAND FOX
1985年春に購入したシェットランドフォックスです。ちなみにテイジンメンズショップの1985年春夏のテーマが「ザ・ヴォヤージ」でした。1930~1940年代のスタイルを提案していました。穿いているトラウザーズはエーボンハウスです。ちょっと「華麗なるギャツビー」の世界ですね(苦笑)。

今回はあまり知られていない1980年代のシェットランドフォックスを紹介しますね。最初に買ったのは1985年の春で、たしか大阪のナビオ阪急店。当時としては珍しいホワイトバックス(ヌバック)でした。

(日本海の)砂浜で履いたのが大失敗で、どこから見てもダーティーバックスになってしまいました(笑)。当時はリゾートファッションブームで、フレンチ・リビエラに憧れてたもんでね・・・、テヘッ。

この汚れ、いくら消しゴムで消しても、チョークを塗っても白さが戻らず、しかたなく処分しました。いま思うともったいないですね~。

1985年当時は他にもタッセルスリッポンサドルシューズ、ローファーのホワイトバックス(ヌバック)を展開していました(嬉涙)。

SHETLAND FOX
1985年暮れ~1986年春頃にテイジンメンズショップで購入した旧シェットランドフォックスのセミブローグ。国内生産モデルです。ソックとライニングの色はダークグレーとナチュラルなベージュがありました。

で、次に買ったのは写真の国産製のセミブローグ。購入時期は1985年暮れ~1986年春頃で、テイジンメンズショップ吉祥寺パルコ店だったと思います。こちらはよくアラン・フラッサーのグレンプレイドのスーツ(ライセンスもの)に合わせて履いていました。

往年のハリウッドスター、ケイリー・グラントに一番憧れていた、嬉し恥ずかしい頃ですね(苦笑)。

買った当時の価格は覚えていませんが、1987年で32,000円ですから、国産でこの価格は高めです。リーガルのブランドに対する誇りを感じますね。

このセミブローグは、まるで英国靴を彷彿させる完成度の高いデザインで、とくにラウンドトウ(アーモンドラウンドトウ)の形がたまらなくいい感じなんですね~。

SHETLAND FOX
左/チャーチのフルブローグのヒックステッド。右/旧シェットランドフォックス。ともに昔ながらのアーモンドラウンドトウです。1980年代の国産シェットランドフォックスは、英国の伝統的な既製靴を参考にしていたと思います。

英国のチャーチのなかでも大好きなフルブローグモデル「ヒックステッド」(84ラスト)と並べてみると、あ~ら不思議「これは似ているな~」と思ってしまいました。

これは推測ですがシェットランドフォックスをスタートさせるときに、国産モデルに関しては英国既製靴の伝統的なフォルムを意識したのではないでしょうか。ただし最初期のモデルは見ていないので、あくまでも推測ですが・・・。

1980年代初頭当時、輸入されていたメジャーな英国既製靴はチャーチだったので、木型というかフォルムを参考にした可能性は高いですね。

また、後にシェットランドフォックスを手掛けることになるクロケット&ジョーンズの靴も参考にしたかもしれません。

次のページは、「英国既製靴を彷彿させる質実剛健な作り」です
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