フルオーダーに近い、A WORKROOMのスーツ
この秋冬コレクションのなかの1モデル。このスリーピースと同じものをオーダーすると、価格14万7000円(税込)。服地によっても価格が変わるので注意したい。オーダーする際のデザインの参考にしてほしい。 |
A WORKROOMの考え方はこうだ。「優れた縫製とファッション性、遊びの融合」、「体型にも感性にもジャストフィットしたオーダーメイド」である。
このお店はスーツやジャケット、コート、シャツ、シューズに至るまですべてオーダーメイドを基本としていて、商品構成はすべてプロデューサーの岡田亮二氏の好みを反映しているといってもいい。
スーツを例に挙げると毎シーズン幾つかのサンプルとなるコレクションを提案している。
まったく同じものをオーダーしてもいいし、それをベースにディテールをアレンジしていってもいい。
もちろん作りたいスーツのアイデアがあるならできるだけ理想に近づけてくれるはずだ。オーダーメイドといってもビスポーク(フルオーダー)ではない。
とはいえ芯地や肩パット、裏地などは選べるし、+21,000円で仮縫いをつけることもできる。細かなディテールにも対応してくれるのだ。
縫製は優秀な自社工場で行われ、納期も30日間(仮縫いを付けると+10日間)とビスポークに比べると早い。
いまオーダーしたとしてもクリスマスまでには間に合うということだ。
遊びを取り入れたオーダースーツ
オーダーなので基本的にすべて本切羽仕様。ボタンホールが斜めに開いているのがポイントだ。こういうディテールにこだわれるのもオーダーならでは。 |
上の写真のスリーピースは今シーズンのコレクションのひとつ。ラペルはちょっと細めで、ゴージラインは高めに設定。全体的に細めで着丈は長めになっている。
ポケットはややスラントしていて、袖はフレアー気味。ベストのフロントボタンが高めに設定されているのも面白いところだ。
袖口のボタンは基本的に本切羽仕様で、このモデルは斜めにボタンホールが開けられている。
サンプルとなるコレクションのなかには、こんな変わったチェンジポケットもある。 |
またモデルによっては重なり合ったチェンジポケットがあったりして、遊びを取り入れたデザインも目立つ。
一見斬新なようだが、スーツに対する考え方の基本がしっかりしているため信頼できるのだ。
要するに服作りのベースが英国のサビルロウにあるため、どんなに遊びを取り入れたとしても、基本となる軸がぶれることがない。
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