スーツ・ジャケット/スーツ・ドレスビジネス

贅沢なジャケット服地 ムーンビーム

英国服地で有名なハリソンズ オブ エジンバラの新コレクション、ムーンビームを紹介。今回は実際にジャケットを作って、全身コーディネートしてみました。とても洗練された服地で、この秋のおすすめです。

倉野 路凡

執筆者:倉野 路凡

メンズファッションガイド

ムーンビームの服地でジャケットをオーダー


ムーンビーム
ハリソンズ オブ エジンバラの新しいコレクションがムーンビーム。75% スーパーファイン ラムズウール&25% アンゴラ。320gms。36色柄。服地のお問い合わせは総輸入元 マルキシ株式会社 TEL 03-3251-7300

スーツやジャケットをオーダーする際の楽しみの一つが服地選びだ。信頼できるテーラーならイタリアとイギリス、国産の服地は扱っている。

それだけ似たような柄のバリエーションが多くなるのだが、柄の大きさや色が微妙に違ったりする。また素材によっても雰囲気が変わってくるので、好きな服地が見つかったときの感動は大きい。

個人の好みでいうと秋冬物ならやはり英国服地だ。好きな英国服地のひとつにハリソンズ オブ エジンバラ(以下ハリソンズ)というのがある。

ムーンビーム
ムーンビームの服地でジャケットを作りました。左から、テーラー アスコットの大谷潤さん、ガイド倉野、マルキシの岸秀明さん。写真/下垣内努

1863年にサー・ジョージ・ハリソン(後のエジンバラ市長)によって設立されたスコットランドの名門マーチャント(服地卸商)で、世界中の名門テーラーやオーダーサロンで取り扱われ、ヨーロッパの王侯貴族をはじめとした、VIPに愛されてきた歴史をもつ。

最上級の原毛のみが最高級の服地を作り上げる」という哲学のもと、原毛の選定からフィニッシングまでいっさい妥協しない姿勢を貫いているのだ。

そんなハリソンズの新コレクションが今回の主役ムーンビーム(Moonbeam)である。良質のスーパーファインラムズウール(75%)と、アンゴラ(25%)で織り上げたジャケット用の高級服地である。

ラムズウールの柔らかさと、アンゴラ特有の滑らかな肌触りがとてもラグジュアリーで、都会の晩秋によく似合う。

ムーンビーム
テーラー アスコットにお願いして、控えめな英国調のジャケットを作りました。ポケットはチェンジポケットをつけてスラントにしました。とてもわかりやすい英国調でしょっ。写真/下垣内努

とても気に入った服地だったので、東京・京橋に店舗を構えるテーラー アスコットにお願いして、ハリソンズのムーンビームでジャケットを作ってもらった。

ちなみにフル・オーダーではなく、アスコットでスタンダードと呼んでいるパターンオーダーでのジャケットである。

今回は私だけでなく、ハリソンズを取り扱うマルキシ株式会社の岸秀明さんと、テーラー アスコットの大谷潤さんも一緒にジャケットを作った。

バンチ(見本帳)からそれぞれが好きな服地を選び、完成したジャケットを中心に全身をコーディネートしてみた。

ボディ(トルソー)に着せても良かったのだが、トータルコーディネートで見せたかったので、今回は3人が実際に着用しての登場となった。

面白いのは3人とも雰囲気が異なるジャケットで、コーディネートにも好みが出たこと。共通しているのは同じムーンビームの服地というだけである。

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