Guild Hall by Takuya Kondoというブランド
Guild Hall by Takuya Kondoのスーツは、誇張したところがなく、それでいて美しいスーツである。近藤氏が追求し続けるクラシックなスーツということだ。 |
4月19日にリニューアルした新宿高島屋。オム・メゾン5階のスタイルオーダーのコーナーに「Guild Hall」(ギルド・ホール)というブランドがスタートした。
英国好きならピンとくるだろう。Guild Hallはロンドンのシティの中心にあり、ギルド(中世ヨーロッパで生まれた同業組合、商工業者の組合)からの出資で1439年に建てられた格式のある建物なのだ。
その後、ロンドン大火と空襲でほとんど焼失したが一部当時の建物が現存しているという。
そんな由緒正しい建物の名を継承した「Guild Hall」は、スーツやジャケット、トラウザーズのオーダーメイドを専門とするブランドで、昔ながらの“ハンドメイド”の良さを伝えたいという思いからスタートしている。
ブランドタグも控えめで好感がもてる。 |
オーダーといってもイージーオーダーでもパターンオーダーでもない。簡単に説明すると、ベースとなる型紙があり、それをもとに作られたゲージ(サンプルとなるジャケットとトラウザーズ)が用意されている。
採寸後、まず自分の体型に合ったゲージを着用し、ピンをうって体型補正していく。
体型補正したデータをもとに工房で縫製するのだが、いきなり本縫いではなく、仮縫いがその前にはいる。仮縫いという工程がはいることで、体型補正の最終チェックをすることができるため、より完成度の高いスーツになるのである。
「Guild Hall」のブランドを担っているのが一流モデリストの柴山登光氏と、Vick tailorを主宰するテーラーの近藤卓也氏である。今回は以前こちらで紹介したことのある近藤卓也氏に話を伺ってみた。
近藤卓也氏は都内にVick tailorを構え、型紙製作から生地の裁断、縫製までこなす数少ないテーラーである。「Guild Hall by Takuya Kondo」のベースとなる型紙は彼自身が線を引き、縫製に関しても厳しくチェックしたという。それだけ完成度の高いスーツということである。 |
「Guild Hall by Takuya Kondoの型紙は、Vick tailorで使用しているフルオーダー用のものをベースにしています。とてもクラシックなスーツですから長く着ていただけると思います。縫製はとても技術力の高い国内の工房にお願いしています。
なかに入れる芯地はハイクオリティーなものを厳選し、ハンドステッチやボタンホールはマシンではなく、一針一針職人が手で仕上げています。私自身が細部まで見て、納得できる仕立てです。Guild Hallの名にふさわしい作りといってもいいでしょう。また仮縫いを行うことにより、フルオーダーに近いフィッティングを得られます」(近藤卓也氏)
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