ビスポークとの違い
人間工学に基づいた前肩縫製になっている。 |
水落氏/私が手掛けるビスポークの技術を仮に10とすると、『MIZUOCHI TAKAHIRO』は7~7.5です。
とても低い数字に思われますが、海外を含めた他社の高級既製服(プレタ・ポルテ)よりも技術的には上だという自負があります。
ある程度量産しなくてはいけないので、ビスポークのような時間をかけるわけにはいきません。
いい意味で省かなくてはいけない工程が出てきます。
その分ビスポークよりも価格を抑えられますから、それだけ多くの人に着てもらえるということです。
倉野/ビスポークに比べると、手縫いの部分が減るとか?
水落氏/そういうことです。やはりビスポークは手縫いの工程が多いですね。既製のものは中間工程を含めてどうしても時間短縮しなくてはならないのでミシン縫いが増えます。
ミシン縫いだから手を抜いているとか、手縫いだから優れているというステレオタイプ的な見方はしてほしくないんです。
ミシン縫いと手縫いとのバランス感覚も大切ですし、ミシン縫いといっても手縫いと同じような特長を引き出す縫製技術もあります。
もちろん手縫いじゃないと駄目なところもあって、そこだけは譲りません。要のところは手縫いにこだわります。
仕方のないことなんですが、スーツを評価しようとしたときに手縫いやミシン縫いにばかりに意識がいってしまいます。
でも、本当に大切なのはそれぞれの長所と短所を把握することなんです。
サルト(仕立て職人)はそれらを把握した上で使い分けているわけです。お客様が着たときに着やすいかどうかが重要なんです。
トラウザーズは比翼フロント。天狗にはシームホールを開け、腰のホールド力をアップする。リクエストによってファスナーフロント仕様も用意されている。 |
雑誌なんかの影響もあってディテールばかりに目が行ってしまう。もっと大局的に見ないといけないと反省しました。
取材したときに、手縫いとミシン縫いの特長とか、ビスポークならではの縫製技術の話とか教えてもらいました。たぶん半分も理解していないな(笑&汗)。
前編はここまで。
後編は、実際にスーツを縫っている縫製工場との悪戦苦闘の話です。
『MIZUOCHI TAKAHIRO』
スーツ 2ピース 31万5000円(税込み/中心価格帯です)
3ピース 40万9500円(税込み/中心価格帯です)
シャツ 4万5150円(税込み/中心価格帯です)
納期 約1ヵ月
商品のお問い合わせ先
【サローネ オンダータ】
http://www.style-creations.jp/salone/ondata/index.htm
東京都中央区銀座7丁目8-17 虎屋銀座ビル8F
TEL 03-3569-3962
●クロージングサロン
営業時間 12:00~20:00
定休日 月曜
※ビスポークの場合土・日・祝祭日は要予約
(ス・ミズーラは予約不要)
●バーサロン
営業時間 15:00~23:00
定休日 月曜、日曜、祝祭日
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▼水落卓宏氏の過去の記事はこちら。