スーツ・ジャケット/ファッション小物

流行に左右されない王道センス2(4ページ目)

好評だった「流行に左右されない王道センス」の第2弾です。前回同様に基本的な着こなし(ネクタイ、シャツ、靴)について提案しています。スーツをうまく着こなす参考にしてください。

倉野 路凡

執筆者:倉野 路凡

メンズファッションガイド

スエード靴で上品な雰囲気を演出する


旧チャーチのスエード靴
旧チャーチの名作『Buck』です。チェットウィンドと同じラスト73を使用。この色はライトタンです。アウトソールがラバーではなくレザーというのが大人の靴ですね。私物。
スエードのセミブローグ(ストレートチップ・メダリオン)、フルブローグ(ウイングチップ・メダリオン)、Uチップ、モンクストラップを履いている人はお洒落な感じがします。

しかもアウトソールがクレープやラバーソールではなく、レザーソールだとかなりウルサい方です。

通常のカーフにくらべるとカントリーテイストですが、ブラウン系スエードと、フランネルのパンツとの相性は素晴らしく、まさに大人の休日スタイルです。


英国皇太子、後のウインザー公がグレーフランネルのスーツにバックスキンの靴を合わせた話は有名ですね。1930年代のアメリカ東部で流行したコーディネートみたいです。

バックスキンのブローグにダイヤ(アーガイル)柄のソックスを合わせるのが当時の定番だったようで、今でも変わらない組み合わせですね。

また当時は雄鹿の革を使った本当のバックスキン(Buckskin)でした。残念ながら現在は仔牛や仔羊の革を毛羽立たせたものをバックスキンと呼んでいるようです。

旧チャーチに『Buck』というモデルがあって、9月にマネージャーのトニー・フォックスさんが来日された際に素材のことをアレコレ聞いてみたところ、やはり昔は鹿革だったそうなんです。ホワイト・バックスもそうですね。現在はカーフを起毛させたもので、この『Buck』もやはりカーフとのことでした。

BUCK
昔は雄鹿の革を使った本当のバックスキン(Buckskin)でしたが、現在はカーフを起毛させたものだそうです。『BUCK』。私物。
では、スエード、ベロア、バックスキンはどう違うの? ん~このあたりが難しい。

ベロアは粗く起毛させたもので、デザートブーツでよく知られていますが、スエードと現在のバックスキンの違いはよくわかりません。

一度どこかで聞いたことがありますが、すっかり忘れてしまいました(笑)。

ということで、ここではスエード=バックスキンとして理解してください。

さて、トリッカーズのカントリーは頑強そのもので野暮ったさがウリですが、内羽根式のスエードのセミブローグはノーブルな雰囲気が漂うほど上品ですね。

同じカントリーテイストでも雰囲気がずいぶんと違います。まった別物と考えてもいいと思います。

ジョン・ロブエドワード・グリーンでも美しいスエードのブローグを出しています。また通常は展開していないブランドでも、パターン・オーダーでスエード素材を選ぶことができたりします。

で、スエード靴のコーディネートですが、ツイードのジャケットとフランネルのパンツに合わせるのが一般的です。ルチアーノ・バルベラもこの組み合わせが大好きみたいですね。

彼ほど上品に着こなすことは(絶対に)無理だとしても、近づくことはできると思います。日々努力することです・・・。

もしもスーツに合わせるのであれば、ネイビーよりもグレーのフランネルのほうが合わせやすいでしょう。

いまの時代、ビジネスシーンに履いてもいいと思いますが、基本的には昼間に履くカジュアル靴と覚えておいてください。

真冬ならスーツのインナーにニットベストを着ると、スエード靴のもつ英国カントリーっぽさと調和すると思います。


[関連リンク]
:現在のチャーチについての記事ならこちら。木型の特徴も載っています。

旧チャーチについての記事ならこちら。新旧のチャーチを比較してみてください。

ハリソンの新作ソックスの記事ならこちら。
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