着る人の匂い、雰囲気、その人らしさを作り出していく・・・。

batak店内
店内の一番奥に鎮座する洋書群。これだけ参考になる資料が揃っているテーラーも珍しい。取材中、フレッド・アステアやケイリー・グラントといった往年の俳優だけでなく、ノエル・カワードやセシル・ビートンの話になったりした。これも中寺氏の長年にわたる探究心によるものだろう。これまで多くのテーラーを取材してきたが、この2人の名前が出てきたのはテーラー・ケイドくらいだ。
ビスポークスーツの本当の魅力は体型補正だけではない。着る人の“その人らしさ”を引き出してくれることだ。非常に曖昧な表現だが、その人の魅力といってもいい。

中寺氏によれば、「お客さんがどういった場所で着て、どう演出したいのか? といったことを時間をかけてコミュニケーションをとっていきます。凛々しく見せたいのか、控えめにしたいのかなど、お客さんの好みも十人十色。体型の補正だけでなく、着る人の匂いや雰囲気が自然に出るようにお手伝いするだけです」

batak が求める理想のスーツというのは着る人の“邪魔をしない”スーツということらしい。つまり浮いていないスーツということ。



batak店内
シャツとネクタイのコーディネートは参考になりますね。壁に飾られた馬の絵も興味深い。batakという店名も馬の品種に由来しているとか・・・。/batak
たとえ派手なチョーク・ストライプのスーツでも、着る人に似合っていれば問題ないのである。

また、「素敵なスーツですね~、どこのですか?」と誉められるようではまだスーツが邪魔しているという。

スーツのディテールを誉められるのではなく、「素敵な方ですね」といわれるくらいがちょうどいい。それも本人のいないところだとなお嬉しい。まあ、上質の残り香みたいなものだ。

既製スーツではカバーできない体型の補正を行い、さらにその人の魅力をクッキリ明確に、しかもさりげなく演出するのがビスポークスーツなのである。ここまでやってくれるのなら30万円という値段も妥当に思えてくる。

トレンドに左右されることなく、自分の魅力をテーラーとともに見つけ出し、作っていく・・・。かなり王道をいく男らしいスーツ選びだと思う。


山積みされたバンチ
生地の見本帳であるバンチ。英国のホーランド&シェリーやハリソンズ・オブ・エジンバラなど、有名どころが揃っている/batak。
ビスポーク(フルオーダー)のスーツ 28万円~
イージーオーダーのスーツ 13万円~
ビスポークのシャツ(仮縫い付き) 2万9400円~
すべて税込み価格


商品の問い合わせ先は、
batak
東京都渋谷区代官山町14-20 カトルズ代官山103
TEL 03-3463-5099
営業時間12:00~20:00(平日) 12:00~18:00(日曜)
定休日 水曜



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