ダブルブレストのスーツはバブル時代を彷彿させるためか、どちらかというと敬遠されがちだが、もともとクラシックなスーツだから一着は揃えたい。
1940年代のハリウッド映画を見るとよくダブルブレストのスーツが登場する。
『His Girl Friday』『フィラデルフィア物語』のケイリー・グラントはそれぞれグレン・チェック、ウインドウペーン、チョーク・ストライプのスーツを着用している。どれも無地のシャツとネクタイの組み合わせだ。ニートな着こなしで知られる彼ならではの控えめな配色といえる。
30代の諸兄なら覚えているだろう。’90年代まで日本で展開していた英国ブランド『ハケット』のダブルブレスト・スーツを。
ウエストを強く絞ったチョーク・ストライプのスーツはバブルなイメージとは程遠く、エレガントそのものだった。英国らしくストライプのワイドスプレッド・カラーのシャツにドット(水玉)のネクタイを組み合わせて、よく雑誌に載っていた。これこそブリティッシュ・スーツの典型的な組み合わせだ。
万能ジャケットのブレザーを見直そう
同じく最近見かけないのがブレザーだ。あまり人気がないのはトラディショナルなイメージが強いためかもしれないが、カジュアルからセミ・フォーマルな場所まで対応できる万能ジャケットだから、このまま忘れ去るのはもったいない。もっとビジネスマンの必須アイテムとして再評価すべき。
色は基本的にネイビーだが、キャメルカラーのブレザーというのもニューヨーク・トラディショナルっぽくて新鮮だ。
ネイビーのブレザーなら『ブルックス ブラザーズ』や『J・プレス』『ポール・スチュアート』『バーバリー』などへ行けばかならず揃っているはずだ。