採寸編
フルオーダーの場合は、全身の寸法を細かく計測する必要がありますが、パターンオーダーの場合は用意されたゲージ(サンプル)を着用して、自分の体に合わない箇所を調整してもらいます。雰囲気は既製品のお直しと同じですね。まずは裸寸を測って、だいたいのサイズを割り出します。通常、他ブランドではガイドのスーツのサイズは48前後です |
スーツって、ブランドやメーカーによってサイズが変わります。このブランドなら、このサイズという風に、自分に合うサイズを把握しておけば、次に買うとき(サイズが変わって無ければ)便利ですが、初めてのブランドの場合はあくまで目安として必ず試着してみましょう。
サイズ48でも、ブランドのよって袖丈が長かったり短かったりするので、その場合、ひとつ上とひとつ下のサイズを着てみて、縮めるのか伸ばすのか、どちらの方がよりシルエットをきれいに出せるのかを相談できるほうがいいです。
ゲージは44、46、48、50といったように2刻みで作られているので、48を着て調整していくことにします |
袖の長さを調整して裾丈を決めて、後ろ首下の月じわを取ります。
ここは人によって背中の丸さが違うところなので、どこをどう摘めばきれいにフィットするのかはテーラーさんの勘が頼りです。テーラーさんの実力はこういうところに現れるので、経験の浅い若いテーラーさんより、熟練した経験豊富な職人さんのいるお店の方が安心です。
もちろん、若くて腕のいい職人さんもたくさんいらっしゃいますが。テーラーってなんとなく入りにくいとか、お年を召した方ばかりで、若い人が敷居をまたぐのに気後れしてしまうのも分からなくもありませんが。しかし、やはり腕の良し悪しが出るところは、長年の勘に頼る部分が大きいのです。スーツのフィットには方程式があるようでないので、こういうところは職人の腕を信じるべきだと思います。
最後に細部のデザインを決めますが、今回ガイドが選んだ3ボタンのクラシックなスリーピースは、胸ポケットの箱折やフラップを通常より1cmだけ細くしてもらいました。そうすることで、ちょっとだけモダンな雰囲気が出せるのです。
次のページで、どんなスーツができあがったかご覧頂いただきましょう。