ブロンズカラーによる新鮮な色彩感覚
「ブラック・コレクション」には、ダイバーズクロノグラフの「マリーン・クロノ」、曜日表示にスマイルデイを配したダイバー「マリーン」、定番のトリプルカレンダー・ムーンフェイズ・クロノグラフ「クロノ・バウハウス」、GMTとアラーム機能を組み合わせた「ル・レヴェイユ」、もっともシンプルな3針時計の「ベーシック」などを揃えるが、同じデザインで、チタンのケースにブラウンPVDを用いた「ブロンズ・コレクション」もある。「ブラウン・コレクション」の「クロノ・バウハウス」。チタン+ブラウンPVD、ブラッシュ仕上げ。自動巻きクロノグラフ。10気圧防水。143万8500円 |
写真や言葉ではとうてい伝えることが不可能だが、この「ブロンズ・コレクション」の色彩は、絶妙無比。なんとも形容詞しがたいブラウン系の色をしている。ブロンズは、2年前のトゥールビヨンなど以前から用いられたが、いろいろと試みた結果、今回初めて納得のいく色が得られたという。
「ブラウン・コレクション」の「ベーシック」。チタン+ブラウンPVD、ブラッシュ仕上げ。自動巻き。10気圧防水。81万9000円 |
ケースの側面を斬新なクロワゾネ・ラッカーで彩った最近の時計をご存じの方もいるだろう。自然からインスピレーションを得た色や柄のおもしろさがまず目に飛び込んでくるデザインではあるけれど、そこにも、メタルを従来のメタル以上のものに変容させるアラン・シルベスタインの錬金術のようなものを感じずにはいられない。今回のブロンズカラーのチタンをゴールドに喩えるのも、そのような意味がありはしないかと、ついつい深読みしてみたくなる。
これからは、時計フェアの過密スケジュールに縛られることなく、新作が熟成するごとに発表していきたいと展望を語ったアラン・シルベスタイン。21年目の新たな出発を心から祝したい。
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