スーツにはケース径35mm・36mm・37mmがベストマッチ

ここ数年、腕時計のデカ厚ブームが続いています。それでも昨年あたりから薄くなりつつあるようですが、まだまだデカい、厚い、重い、おまけに高い!この4拍子揃った腕時計はたしかに魅力があります。ただ有難いことにボクの手首には合いそうになく、おかげで散財しなくて済みます(笑)。ちなみに手首回り15.5cm、上から見た手首幅5.5cm。まあ、ちょっと細めですかね。

手首回り15.5cmのボクにとって、ケース径33mmのモーリスがちょうどいい。でもちょっと大きいかな? これ以上大きくなるとバランスが悪くなり、腕時計だけが目立ってしまう。1950年~'60年代製造。手巻き。ケース厚6mm。私物。

手首回り15.5cmのボクにとって、ケース径33mmのモーリスがちょうどいい。でもちょっと大きいかな? これ以上大きくなるとバランスが悪くなり、腕時計だけが目立ってしまう。1950年~'60年代製造。手巻き。ケース厚6mm。私物。


現在よく知られている腕時計の大きさを見てみると、
  • パテック・フィリップ カラトラバ ケース径37mm
  • ジャガー・ルクルト ビッグ・マスター ケース径37mm
  • ユリス・ナルダン GMT±ビッグデイト ケース径40 mm
  • IWC ポルトギーゼ オートマチック ケース径約42.3 mm
  • ロレックス エクスプローラーI ケース径36mm
  • ロレックス サブマリーナ ケース径40 mm
  • ロンジン コンクェスト クラシック ケース径35mm
  • ブルガリ ブルガリブルガリ ケース径35mm
  • ノモス タンジェント ケース径35mm

どれも丸型ケースの3針モデルで、ケース径35mm~37mmが現在の定番腕時計の平均的な大きさでしょう。

日頃はアンティークが多いのですが、この日はあいにくの雨。ということでチュードルの登場です。オイスターケースなら雨の日も安心というわけです。ケース径34mm。1990年代製。私物。

日頃はアンティークが多いのですが、この日はあいにくの雨。ということでチュードルの登場です。オイスターケースなら雨の日も安心というわけです。ケース径34mm。1990年代製。私物。


これがクロノグラフやダイバーズモデルになると、もっと大型化したりします。たとえばビジネススーツにケース径40 mmのロレックス サブマリーナやGMTマスターIIを合わせている人をよく見かけます。どうしても腕時計に目がいってしまい、その大きさが気になります。彼らの気持ちもよくわかります。30万円も40万円もする腕時計ですから毎日していたいですよね。それにあの重さと存在感を一度でも味わってしまうと、小型軽量の腕時計なんかできなくなってしまうのかもしれません。

ただ、ビジネススーツに合わせるにはちょっと大き過ぎると思います。バランス的に似合うのは、身長が180cm以上あって、手首回りが20cm近くあるスポーツマン体型の人だけです。

その人の体型にもよりますが、ビジネススーツにぴったり似合う現行腕時計のサイズは、ケース径35mm~37mmです。ケース径36mmのエクスプローラーIをしている人を見て、バランスがいいなと思うのはそのためです。エアキングもそうですね。また体型に関係なく、ケース径40 mm以上の大型のものは、ビジネススーツではなく休日のカジュアルウェアやアフター5に着用すればいいんです。そのほうが似合います。

手首の細い人は、ケース径32mm~33mmがちょうどいい

手首回り15.5cm、上から見た手首幅5.5cmのボクは経験上、手首の細い人はケース径32mm~33mmが一番バランスよく見えると思います。スーツやジャケットを着たときも、カジュアルウェアのときも、だいたいこの大きさの腕時計を選ぶようにしています。

文字盤の焼け具合と、ラグのデザインが気に入っているエニカ。インデックスの感じから1950年代製造でしょう。手巻き。ケース厚5mm、ケース径33mm。私物。

文字盤の焼け具合と、ラグのデザインが気に入っているエニカ。インデックスの感じから1950年代製造でしょう。手巻き。ケース厚5mm、ケース径33mm。私物。


以前はオメガ スピードマスター プロフェッショナルばかり着けていたこともあるんですが、ケース径約40mmというクロノグラフはやっぱり大きい。この仕事を始めて最初に買った機械式腕時計なので思い入れもたっぷりあったんですね。休日にニットを着たときは、文字盤が半分ほど隠れてバランスよく見えるんですが、スーツだとドレスシャツの袖口では隠しきれない。ということで潔く休日用になりました(苦笑)。

さて、腕時計も最近では見せるアイテムになってきていて、価格も高額なものですからしかたないかなとも思うんですが、やはり基本はその人の体型に合った大きさなのか、ビジネスシーンで着けてもおかしくないデザインなのかが最優先だと思います。ブランドのステータス度は二の次です。

たとえば、オン・オフ問わずに、ボクのような身長170cmの中肉中背、手首細めの人間が、ケース径45mmのパネライをしても正直似合わないわけです。いちおう懸垂記録16回という準体育会系です(笑)。まわりは「おっ!パネライですか、いや~やっぱりカッコいいですね~」といってくれると思うのですが、パネライだけが目立ってしまって、パネライを選んだボクの審美眼や、洋服とのコーディネートまで褒めてくれません。

つまりパネライをしている人、買える人であって、パネライが似合う人ではないということです。それでも着けたいときは休日のカジュアルウェアに合わせると思います。パネライだけでなく、フランク・ミュラーやピエール・クンツでも同じことだと思います。

撮影中に電車が来てしまい、ちょっと手ブレのマービン。こちらもおそらく1950年代製造です。手巻き。ケース厚5mm、ケース径32mm。私物。

撮影中に電車が来てしまい、ちょっと手ブレのマービン。こちらもおそらく1950年代製造です。手巻き。ケース厚5mm、ケース径32mm。私物。


これらのブランドは素晴らしい腕時計なので、購入できる方にはおすすめしますが、手首の細い人はビジネス以外のオフタイムに着用したほうが、絶対にカッコいいと思います。

アンティークウォッチは32mm~33mmサイズがゴロゴロ

「じゃあ、ケース径32mm~33mmの腕時計を教えろよ」といわれても、残念ながら現行品ではほとんどないです。とくに機械式腕時計では難しいです。数年前に買ったハミルトンのカーキがケース径約33mmです。まだ売っているモデルでしょう。で、仕方なくボクはアンティークの世界にそれを求めたわけです。
  • モバード 手巻き ケース厚6mm、ケース径32mm
  • マービン 手巻き ケース厚5mm、ケース径32mm
  • モーリス 手巻き ケース厚6mm、ケース径33mm
  • エニカ 手巻き ケース厚5mm、ケース径33mm
※ケース厚は風防含まず、ケース径はリューズを含まず。

すべて1950年代~1960年代初め頃のもので、当時の平均的なケース径です。ちなみに軍用腕時計はもっと小さく、ケース径30mmくらいです。この時代の製品は機械式腕時計全盛期のものといわれています。ボクがしているブランドはすべて中堅ブランドですが(苦笑)。

このモバードはケース径32mmなんですけど、ボクの手首には一番合っている大きさだと思います。1950年代製造。手巻き。ケース厚6mm、ケース径32mm。私物。

このモバードはケース径32mmなんですけど、ボクの手首には一番合っている大きさだと思います。1950年代製造。手巻き。ケース厚6mm、ケース径32mm。私物。


つまり、精度を追求した結果生まれたムーブメントのサイズであり、それに合わせたケースの大きさが、32mm~33mmだったということです。さほどトレンドの影響も受けずに、結果的にこのサイズになったというわけですね。半世紀も前のサイズであると同時に、機械式腕時計(3針丸型)の理想的なサイズなんだと思います。

これらの腕時計に、ラグジュアリー、ステータス、エクスクルーシブという言葉とは無縁ですが、半世紀生き抜いてきた運の強さと、直球勝負的なデザインの潔さが心地いいです。それでも「おれはやっぱり現行モデルがいい」という人にはおすすめしませんが、現在主流のデカ厚腕時計はトレンドの影響を強く受けています。残念ながら、着用者の手首の太さなどは完全に無視されていますね。漂う高級感とムーブメントの高精度はさすがですが、デザインだけが一人歩きしている感じがします。

まず手首に合わせてみて、バランスがよいと信じるサイズの腕時計を探してみてはどうでしょうか?靴のシルエットや髪型を気にするのと同じことです。ただバランスを見ればいいわけです。その結果、現行品でもアンティークでもいいと思います。

【関連記事】

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。