筋トレ・筋肉トレーニング/胸の鍛え方

胸筋に効く!腕立て伏せのフォーム・バリエーション

腕立て伏せは有名ながらも正しい方法で行っている人が意外と少ないもの。今回で胸筋に「効く」腕立て伏せの正しいフォームとコツを覚えて、一段上の逞しい胸を作り上げましょう!3つのポイント、3種類のバリエーション、トレーニング・メニューの組み方を紹介します。

執筆者:柴田 明

腕立て伏せの正しいフォームを学ぼう

胸襟を鍛える腕立て伏せの方法!

胸襟を鍛える腕立て伏せの方法!


自宅でのトレーニングでまず思いつくのが腕立て伏せではないでしょうか。ところがこの腕立て伏せあまりにもポピュラーな種目なために正しい方法で行っている人が少ないのがもったいないところ。このページで正しい胸に「効く」腕立て伏せを覚えて、一段上の逞しい胸を作り上げましょう!

<目次>    

まずは使っている筋肉の位置を覚えましょう

腕立て伏せではやり方によって大胸筋や力こぶと反対側の筋肉の上腕三頭筋が鍛えれます。
腕立て伏せではやり方によって大胸筋や力こぶと反対側の筋肉の上腕三頭筋が鍛えれます。
胸の筋肉を鍛えるために、腕立て伏せを行っている方が多いと思いますが、使っている筋肉がどこかわからないと、ターゲットにしている部位に効いているのかがよくわからなくなってしまうので、あらためて右の写真で大胸筋のだいたいの位置を確認してください。

基本的に腕立て伏せは、地面についた手幅によって使う筋肉が異なります。手幅を広げると大胸筋と呼ばれる胸の筋肉、手幅を狭めると上腕三頭筋と呼ばれる力こぶと反対側の筋肉に効果があります。

またどの種目でも共通するポイントは
  1. 手幅
  2. 肩甲骨を寄せる
  3. 上半身は一直線
の3つです。それではそれぞれ詳しく見ていきましょう。
 

腕立て伏せのポイント1.手幅

胸に効かせたい時は降ろした時に肘が90度になるようにしましょう。
胸に効かせたい時は降ろした時に肘が90度になるようにしましょう。
手幅を狭くし過ぎたり、広くし過ぎても胸や腕に効くわけではありません。大胸筋に効かせるには、降ろした時に肘の角度が90度になる手幅で行うのがポイントになります。
 

腕立て伏せのポイント2.肩甲骨を寄せる

肩甲骨が正しく寄るかチェックしてみてください
肩甲骨が正しく寄るかチェックしてみてください
腕立て伏せで手幅の次に重要なのが肩甲骨を寄せて支点を作ること。肩甲骨が動いてしまうと、背中の筋肉などに負荷が逃げてしまい上手く効かせることができません。実際に肩甲骨を寄せることができるか次の方法で確認してみましょう。
 
  1. 膝と手を床に肩幅位でつき、腕立て伏せの姿勢を取ります。
  2. そのまま肩を後ろに引き、肩甲骨を寄せていきます。
  3. 肘が曲がらず背中が真ん中に寄っている感覚があればOKです。

この時に肘が曲がってしまう方は肩甲骨をうまく使えていないので、なるべく首の力を抜いて、肩甲骨を下に寄せるイメージで練習してみましょう。腕立て伏せの動作中は下げた時も上げた時も動作中も常にこの姿勢を保ちます。トレーニングの後半になると力を逃がして動かしたくなるため、肩甲骨を開きやすくなるのできつくなってきたら特に気をつけて行いましょう。
 

腕立て伏せのポイント3.頭から腰のラインは一直線に保つ

背中を一直線に保ったままトレーニングを行いましょう。
背中を一直線に保ったままトレーニングを行いましょう。
手幅を決めて肩甲骨を寄せたら、次は上体を一直線に保つのがポイントです。頭・肩・お尻のラインが横から見て一直線になるようにします。これも動作中はこの姿勢を維持するのがポイントです。背中が丸まると腹筋に、反ると背筋に力が逃げてしまいますし、そもそも動作中背中が動いてしまうと可動範囲が狭くなってしまうので、胸や腕に与える刺激も少なくなってしまいます。

テレビ番組などで腕立て伏せの回数を競っているのをたまに見かけますが、背中を動かしているフォームで行っている人が多く見られます。これはなるべく腕立て伏せに動員する筋肉を増やして、疲労しやすい腕や胸にかかる負担を減らすために行っているためで、効かせるためには逆のフォームで行わなければなりません。そのため背中を降ろした時も上げた時も背中を一直線に保つのがポイントになります。

試しに上体を一直線に保つフォームと保たないフォームで効きの違いを試してみてください。すぐにどちらがより効くか体感できると思います。

では、これから腕立て伏せのバリエーションをご紹介していきます。
 

腕立て伏せのバリエーション1.プッシュアップ

腕立て伏せのバリエーション1 プッシュアップ 腕を完全に伸ばし切っても、肩甲骨は寄せて胸を張りましょう
腕を完全に伸ばし切っても、肩甲骨は寄せて胸を張りましょう
【スタート】
手を肩幅よりやや広めに開き、背中の出っ張っている骨(肩甲骨)は寄せて胸を張ります。この時に頭・肩・お尻が一直線になるようにしてください。
 
腕立て伏せのバリエーション1 プッシュアップ  肘が90°で、前腕は垂直、肩と腕は一直線になる手の位置で行います
肘が90°で、前腕は垂直、肩と腕は一直線になる手の位置で行います
 
【フィニッシュ】
肩甲骨を寄せたまま、胸が床につくギリギリの位置まで上体を下げましょう。
 

腕立て伏せのバリエーション2.インクライン・プッシュアップ

腕立て伏せのバリエーション2 インクライン・プッシュアップ 頭・お尻・足のラインが斜め一直線になるようにしましょう
頭・お尻・足のラインが斜め一直線になるようにしましょう
【スタート】
イスに手を置き、プッシュアップと同じ幅に開きます。頭・肩・お尻のラインが斜め一直線になるようにしましょう。
 
腕立て伏せのバリエーション2 インクライン・プッシュアップ 上体は上下に動かしましょう
上体は上下に動かしましょう
 
【フィニッシュ】
胸の下部がイスにつくギリギリまで上体をおろします。
 

腕立て伏せのバリエーション3.デクライン・プッシュアップ 大胸筋下部

腕立て伏せのバリエーション3 デクライン・プッシュアップ イスに足を乗せプッシュアップと同じ姿勢をとります
イスに足を乗せプッシュアップと同じ姿勢をとります
【スタート】
足をイスに乗せ、プッシュアップと同じ姿勢をとります。この時に頭・肩・お尻のラインが一直線になるようにしましょう。
 
腕立て伏せのバリエーション3 デクライン・プッシュアップ 胸が床につくギリギリまで上体を下げましょう。
胸が床につくギリギリまで上体を下げましょう。
【フィニッシュ】
胸が床につくギリギリまで上体を下げます。この時に腕と肩が一直線になるようにしてください。
 

腕立て伏せトレーニングメニューの作り方

腕立て伏せで物足りなくなってきたらベンチプレスにも挑戦してみましょう。
腕立て伏せで物足りなくなってきたらベンチプレスにも挑戦してみましょう。
<回数・テンポ>
Step1 まず正しいフォームが維持できる範囲で10回×3セットできるまでトレーニングします。

Step2 できるようになったら「降ろすのに4秒・上げるのに2秒」かけて10回×3セットトレーニングします。

Step3 さらにできるようになったら「降ろす、上げる両方にプラス2秒」して10回×3セットを目標にトレーニングしてください。

Step4 「降ろすのに10秒かける」10回×3セットできたら腕立て伏せは卒業です。ベンチプレスなどのより負荷をかけられる本格的なウエイトトレーニングに挑戦してみましょう。

<種目の選択方法>
  • Step1はプッシュ・アップのみでOKです。まず腕立て伏せに慣れましょう。
  • Step2からはプッシュ・アップとインクライン・プッシュアップの2種目行いましょう。
  • Step3以降、胸は3種目全て行いましょう。

<その他の注意点>
  • テンポが変わっても動作中はフォームを維持するようにしましょう。フォームが崩れたりテンポが速くなってしまったらそこで止めてください。
  • 週3回前後の頻度で、1日以上空けてトレーニングできればベストです。

今回は、胸に効かせるための腕立て伏せのフォームについて解説していきました。一つ一つ動作をチェックしていくと、腕に負荷が逃げることなく胸に効かせられると思います。こっそり正しい方法で行って、逞しい胸板を手に入れましょう!

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※個人の体質、また、誤った方法による実践に起因して体調不良を引き起こす場合があります。実践の際には、必ず自身の体質及び健康状態を十分に考慮し、正しい方法で行ってください。また、全ての方への有効性を保証するものではありません。

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