ツインターボのZ4に乗ると気分がいっきに晴れる
ほかのエンジン仕様にも、ちょっとややこしい変更がなされていた。今年5月に追加設定された最上級グレード、Z4sドライブ35is。エクステリアはMスポーツパッケージなどを標準化することでスポーティさを強調。フロントエアインテークやリアスカートは専用デザインとなる。サスペンションには電子制御ダンパーを備えたアダプティブMサスペンションが備わる。サイズは全長4255×全幅1790×全高1285mm、価格は815万円 |
3リッター直6ツインターボエンジンは最高出力340ps/最大トルク450Nmを発生する。10・15モード燃費は9.9km/l |
これまでの35iとどう違うのか。基本的には同じエンジン、トランスミッションを積む。すなわちN54B30Aタイプの3リッター直噴直6ツインターボエンジンに7速DCT(ダブルクラッチトランスミッション)の組み合わせだが、パワー&トルクが引き上げられた。特にトルクは450Nmで、オーバーブースと機能を使えば500NmというからV8エンジンなみだ。0→100km/h加速4.8秒は、このクラスのスポーツカーとしては驚異的な数字である。
その日は新しい自然吸気エンジンにばかり試乗していたせいか、やはりツインターボに乗ると気分がいっきに晴れる。とにかく、1.6トンの中型スポーツカーにV8エンジン並のトルクなわけだから、遅いはずがない。その加速は、けたたましい。クルマの密度感も相当に高く、ゴムの塊が飛んで行くような加速フィールである。
最高出力420psを発生する4リッターV8エンジンを搭載したハイパフォーマンスモデルのM3。セダンとクーペ(写真)をラインナップする。今年2月の改良でアイドリングストップ機能が備わった |
パワーのあるBMWもまた楽しい、とさらにアイドリングストップのついたM3に乗ってみれば、ああ直噴じゃないとこんなにもストレートで気持ちいいのね、の世界で、またノスタルジーに浸ってしまうのだった。
ミニワン(写真)は最高出力98ps/最大トルク153Nmの1.6リッターエンジンに変更しつつ、燃費を約19%(MT)向上。10・15モード燃費はMTが20.5km/l、ATが16.6km/lとなる。また、クーパーはエンジン内部のフリクション低減などにより2psアップさせつつ、ハッチバックで19%(MT)の燃費向上を果たしている |
MTにはエンジン・オートマチック・スタート・ストップを新たに装備。これはニュートラルでクラッチを戻すとエンジンが停止、踏み込むと始動する機能 |
ONEも、これまでの排気量1.4から1.6へとスープアップ。3psアップもさることながら、MT車で約2割の燃費改善が素晴らしい。
実際に乗ってみれば、今まで乗ったミニの中で最も“気持ちいい”ミニだった。速さやスリル、わくわく度ではだんぜんJCWだけれども、全てを手の平に乗せて好き放題に転がす感覚で運転できるのは、ミニONEだけの素晴らしい点。足回りの絶妙なセッティングから、各ギアでエンジンと繋がっている感覚、全身で走り切る姿勢は、本来ミニの持っている美点だと思う。それを生かし切って操れる進化したミニONEこそ、最もミニらしいミニだろう。