立駐にも停められる、グランドワゴン的スタイル
BMWがSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)と呼ぶXシリーズのエントリーモデル。国内にはFRのsドライブ18i(363万円 写真)と、4WDのxドライブ25i(480万円)が導入された。サイズは全長4470×全幅1800×全高1545mm |
BMWのSUV(彼らはSAVって呼んでるけれど)が363万円から手に入る!! 輸入車ギョーカイでは、けっこうショッキングな数字だ。国産車ファンにとってみれば、たかが4発2リッターの、しかも二駆でそんな値段はないだろ! って、話かもしれないけれど。それに、この円高の最中、ガイシャの値段がもうちょっと下がってくれたらなあ、なんて思わないわけでもない。
アウディやベンツといった独プレミアム御三家はもちろんのこと、VWあたりもショックを受けたんじゃないか。たとえば、ほぼ同じサイズ感のティグアンと、あっちは四駆仕様ばかりとはいうものの、完全に価格帯がオーバーラップしてしまった。
Xモデルらしさを強調する、エアインテーク下からリアまでシルバーのアンダーガード(オプション)を装着。空力特性にも注力されCd値は0.32を達成した |
実車を見た感想をいうと、背の高いSUVというよりもむしろ、グランドワゴン的な、ツーリングボディを少し短くして背を高くしたようなカタチに見える。ティグアンに比べても、車高は断然に低い。グランドワゴンのレガシィアウトバックよりも低い。
ルーフレールやナビアンテナの有無で若干上下するとはいうものの、日本の立駐事情を考慮したカタログ寸法(BMWは最近、そういう芸が細かい)は、“SUVは欲しいけれど日常の駐車場事情を考えるとちょっと買えないな”派には朗報だ。
背が高くないから、SUVに特有の威圧感もない。いや、あの威張り散らした態度がいいんだよ、という人もいるだろうが、そうでないことに魅力を感じる人も多いはず。そういう意味でも、BMWの新しいエントリーモデルとして機能しそうだ。もちろん、ダウンサイジング・オルターナティブとしても有効だろう。セダンシリーズほどにはヒエラルキーが確立されていないし、認知もされていないから、1だろうが3だろうが上を気にすること無く乗れてしまうのもX系の魅力だと思う。
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