これまでにないディメンジョン比のスタイル
セダンの機能性や走り、SUVの多様性などを併せもつ新しいクロスオーバーモデル。サイズは全長5000×全幅1900×全高1565mm。価格は3リッターターボエンジンを搭載する535i(写真)が878万円、4.4リッターターボの550iが1114万円 |
全く新しいBWMのサルーンである。このテのクルマのことを総称してクロスオーバーというが、これまでのクロスオーバー車がどちらかというとミニバンより/SUVよりのクロスオーバーだったのに対して、5シリーズGTはハッキリとセダンよりのクロスオーバーだ。そこが、新しい。
日本仕様は、535iと550iで、前者用の直噴ストレート6シングルターボが新しいエンジン。オートマチックも待望の8速となった。ここではベースとなった7シリーズを上回っている。
そう、このクルマ、5シリーズとはいうものの、実質、なかみは7シリーズなのだ(BMWはだからこのクルマのことを単にグランツーリスモと呼んで欲しいらしい)。ややこしいが、そういうことだ。全長は5mにおよび、ホイールベースは7のショートと全く同じ。車重も2トンを超える。それでいて、車高は7シリーズ+7.5cm。カタチを見て違和感を覚えるのは当然で、これまでにないディメンジョン比だからである。
面白いことに、乗れば7シリーズほど大げさなクルマに感じない。視線の高さが効いているのだろう。都内で乗っていても、デカイという感覚が7シリーズほどないのだ。取り回しもいいし、インテグレーテッド・アクティブ・ステアリングのおかげで小回りも利く(ただし7シリーズと同じ程度だが)。エンジンパワー的には新しいストレート6で十分だ。V8ツインターボも捨て難いけれど、正直言って過剰である。8速ATとのマッチングもよく、前のめりですいすいシフトアップしていく。
テールゲートは、小さな荷物の時はリアウインドウ下の開口部、大きな荷物は全体と使い分けることができる。ラゲージ容量は440~1700リッター |
ツインテールゲートは面白い。ボクはでかい荷物をクルマに積み込むライフスタイルとは無縁なので、ハッチバックの必要性をほとんど感じないから、“小窓”ならぬ小ゲートつきは大変ありがたい。実際、日常的に使ってみて、ハッチゲートを開けることは皆無だったが、小窓の方は頻繁に割と出番が多かった。
535iには最高出力306ps/最大トルク400Nmを発生する3リッター直6直噴ターボエンジンを搭載。550iは最高出力407ps/最大トルク600Nmの4.4リッターV8直噴ターボとなる。ミッションは8ATが組み合わせられた |
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